【プレミアリーグ】トッテナム1-2リヴァプール(日本時間11月7日/トッテナム・ホットスパー・スタジアム)

 イングランド代表FWハリー・ケインはやはり頼もしい存在だ。代表でもクラブでも欠かせない男は、ワールドカップによる中断を前にしたこの試合でも、得点という形で自身の能力の高さを全世界に見せつけた。リヴァプールが誇る名手、ブラジル代表GKアリソンを相手に、角度がない位置からドンピシャのシュート。こんな得点はケインにしかできないのではないか。

【映像】角度なさすぎ ケインの技巧派“針孔”シュート

 後半開始早々から、自身のミスによる失点を取り返したいダイアーをはじめチーム全員で猛攻をかけるトッテナム。再三ゴールを脅かすものの、ブラジル代表GKアリソンの好セーブに阻まれ、リヴァプールの堅守を崩し切れずにいた。

 しかし70分、針の穴を通すかのようなシュートをケインは決めてみせる。起点は68分、途中から投入されたスウェーデン代表FWクルゼフスキが、敵陣地のペナルティボックス角の手前という抜群の位置で、同じく途中交代で入ったアイルランド代表DFドハーティからパスを受け、ゴールに向けてドリブルを開始。

 すると、ケインと目線が重なったようだ。お互いの意思疎通に成功すると、クルゼフスキはケインにスルーパス。イングランド代表FWが受けた位置はややサイドよりで角度がなく、カバーにきたフランス代表DFコナテもケインに対して十分に距離を詰めていた。にもかかわらず、ケインがダイレクトでファーにシュートを放つと、ボールはコナテの足先を越え、アリソンの手をすり抜けてゴールのサイドネットに突き刺さった。

 これには思わずABEMA解説者の粕谷秀樹氏も「これ決めるんだな……角度なかったんだけどな」と驚いた様子。ABEMA視聴者たちも「えぐう」「そこしかないってとこ」「なんであれ決めれんねん」「はい神」などと、衝撃的なシュートに驚きを隠せなかった。

 結局、トッテナムの反撃はこのケインの”針孔シュート”による1得点のみ。リヴァプールの勝利でゲームを終えたが、改めてケインのパスの芸術性だけでなく、そのフィニッシュにも翳りがないことを見せつける試合となった。
(ABEMA/プレミアリーグ)