37歳でのメンバー入りとなった

カタールワールドカップを戦うオーストラリア代表が発表されており、Jリーグからはアルビレックス新潟のトーマス・デン、ファジアーノ岡山のミッチェル・デュークが選出。横浜F・マリノスに所属したミロシュ・デゲネクも選ばれている。

そのメンバーのなかでもう一人日本のクラブでプレイした男の名前がある。2014年にベガルタ仙台に所属したダニエル・ヴコビッチだ。オーストラリア出身の彼は母国のクラブを転々とし、2011-12シーズンからはパースグローリーFCで正GKとして活躍。2014年にはグラハム・アーノルド監督が就任したベガルタ仙台へ半年間の期限付き移籍を果たす。

しかしアーノルド監督はわずか6試合で解任されてしまい、ヴコビッチも出場機会を得られず。半年間でナビスコカップ(現ルヴァンカップ)の2試合の出場にとどまった。

その後はパースグローリーへと復帰し、メルボルン・ビクトリーやシドニーFCでプレイ。2017-18シーズンにはジュピラー・プロ・リーグのヘンクへ移籍すると、レギュラーを勝ち取り、初年度からリーグ戦38試合に出場。その後もゴールマウスを守り、ベルギーでの4年間で100試合に出場し、キャプテンも務めた。柏レイソルからヘンクへ加入した伊東純也ともプレイしている。

その後はエールディヴィジのNECを経て今シーズンからオーストラリアのセントラルコースト・マリナーズへ移籍。母国へ復帰し、37歳で2018年のロシア大会に続く2大会連続でのワールドカップメンバーに選ばれた。鋭いセービング能力を武器とするヴコビッチだが、日本ではパフォーマンスを発揮することはできなかった。それでも母国だけでなくベルギーでも存在感を高め、30歳を超えても代表へ選ばれているのだ。

また柏レイソルに所属する武藤雄樹の“寿司ネタ”もヴコビッチが発端。14年当時仙台に所蔵していた武藤とのSNSでのやり取りで、ヴコビッチは武藤が次の試合で活躍したら寿司をおごると返信し、武藤はゴールを決めて約束通り寿司をおごってもらうことに。

ただ武藤におごった寿司はスーパーで買ったと思われるパック寿司で、武藤自身も「ヴカ(ヴコビッチ)がゴール決めたから寿司の約束を果たしてくれました! ただ、おれは寿司屋行くつもりだったんだけどね。笑」と投稿。そのやり取りでのヴコビッチが寿司をおごる意味で送った「寿司をもたらす」は武藤の代名詞にもなった。

前回大会はゴールマウスを守ることができなかったヴコビッチ。37歳となった彼はオーストラリア代表で出場はあるのだろうか。元Jリーガーが大舞台のピッチに立てるか注目したい。