2017年以来の代表復帰がW杯に繋がる
監督が代われば招集メンバーの基準も変わるものだが、約半年で激変しすぎた者もいる。
おそらくサッカーファンのほとんどが予想していなかっただろう。オランダ代表メンバーにFWフィンセント・ヤンセンが入っているのだ。
オランダ代表は昨年8月より3度目となる名将ルイ・ファン・ハール体制をスタートさせたのだが、ファン・ハールは今年6月になってからヤンセンを代表へ招集した。
ヤンセンが最後に出場したのは2017年10月に行われたスウェーデンとのワールドカップ欧州予選となっていたため、約5年ぶりの代表招集は大きなサプライズだった。
しかもこの招集は一時的なものではなく、ファン・ハールは9月のネーションズリーグでもヤンセンを招集。そして今月11日、ファン・ハールはワールドカップ・カタール大会へ向けたオランダ代表メンバーにもヤンセンをリストアップしている。5年間代表を離れていた選手が半年でワールドカップメンバー入りとは本人も予想していなかっただろう。
確かにヤンセンは所属する国内のアントワープで結果を残している。今季ここまでリーグ戦17試合で9ゴールを奪っており、184cmのサイズを活かしたポストプレイも悪くない。とはいえ、ファン・ハールが最後までヤンセン招集にこだわったのは実に興味深い。独特な哲学を持つ指揮官として有名な人物ではあるが、ファン・ハールにとってヤンセンは必要なピースだったのだろう。
「代表入りを誇りに感じているし、キャリアでも素晴らしい瞬間だ。ワールドカップを楽しみにしている」(オランダ『Voetbalkrant』より。)
ヤンセンは今回の招集についてこう答えており、ワールドカップでどう起用されるのか楽しみだ。エースのメンフィス・デパイのコンディションが上がり切っていないところがあるだけに、前線のスタメンはサプライズ人事があるかもしれない。