鎌田の存在感は別格だ

今季ブンデスリーガのフランクフルトで、リーグ戦7ゴール3アシストを記録している鎌田大地。フランス代表に選ばれたFWランダル・コロ・ムアニと共にチームをけん引している。

日本代表に合流してからもその存在感は圧倒的であり、17日のカナダ戦は後半から起用されると、攻守両面で違いを見せた。

鎌田が起用されたのはトップ下ではなく、一つポジションを下げたボランチだった。遠藤航、守田英正とボランチでプレイする選手がカナダ戦を欠場していることもあって応急処置的な起用だと考えられる。

それでも今季はフランクフルトでもボランチでピッチに立つことが多く、強度は高い。後半はそんな鎌田のボール奪取から一気にカナダ陣営に押し込む場面があった。パスを受けた相馬勇紀からのラストパスはゴールにつながらなかったが、中盤でボールを回収できるだけで日本のアタッカーは生きる。前半は柴崎岳と田中碧のコンビだったが、インターセプトから一気に前線に展開する場面はなかった。

日本代表の2列目はタレントが豊富であり、遠藤と守田が復帰したとしても鎌田のボランチ起用は見たい。この日左サイドハーフで先発した久保建英はトップ下でプレイでき、おそらく柴崎もできる。柴崎は森保ジャパンで一貫してボランチだが、ボールロストの多さや守備対応で気になる場面が多い。だがパスから違いを作れる数少ない人物であり、ボランチで柴崎のカバーをできるなら一つポジションを上げても面白い。

ブラジルメディア『ge.globo』は鎌田にこの日最高点を与えており、「今日ベンチから出てきた選手の中で最もインパクトがあった」と絶賛している。トップ下だけでなくボランチでも輝けるユーティリティ性は大きな武器であり、森保一監督を良い意味で悩ませる存在になっている。

W杯本戦でもまず間違いなく代表のキーマンとなる鎌田。パフォーマンスは別格であり、活躍に期待だ。