イラン代表の主将DFエフサン・ハジサフィ(AEKアテネ/ギリシャ)が、21日に行われるFIFAワールドカップカタール2022・グループB第1節イングランド代表戦を前に、心境を吐露した。20日、イギリス紙『テレグラフ』が伝えている。
イランでは今年9月、ヘジャブ(頭部を覆うスカーフ)の着用方法が不適切として警察に逮捕された22歳の女性が急死し、これに抗議するデモが続いている。イスラム教が国教であり、厳格にその教えを守る同国政府は弾圧を繰り返しており、『テレグラフ』によると、これまでに300名以上の死者が出ているようだ。
ついに開幕を迎えたカタールW杯で、グループBに入ったイラン代表。21日に行われる第1節イングランド代表戦を前に、記者会見に臨んだ主将DFエフサン・ハジサフィは「僕たちは、母国の情勢が正しくなく、国民が幸福を享受できでいないことを受け止める必要がある」と語り、「僕たちにあるものは、すべて彼らからの贈り物。チームは戦い、最高のパフォーマンスを発揮してゴールを決め、勇敢なイラン国民に結果を示さなければならない。願わくば、それが国民が期待する状況に変わっていくことのきっかけになれば…」と覚悟を示している。
今回のデモを巡っては、イラン国内のプロ選手や著名人なども逮捕されている。同紙は、「推定15,000人のイラン人が獄中にあり、すでに少なくとも1人が死刑を宣告されている」と併せて報じた。