【専門家の目|玉田圭司】攻撃の要として期待が懸かる鎌田の起用法に見解
森保一監督率いる日本代表は、11月23日にカタール・ワールドカップ(W杯)初戦のドイツ代表戦に臨む。17日に行われた本大会前最後のテストマッチでカナダ代表に1-2と敗れたなか、この試合でボランチとしてプレーしたMF鎌田大地(フランクフルト)の起用法について、かつて、名古屋グランパスや柏レイソルで活躍し、W杯2大会連続出場経験を持つ元日本代表FW玉田圭司氏に見解を訊いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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日本は本大会の向けた強化試合として、17日にカナダと対戦。ベースキャンプ地であるカタールのドーハからアラブ首長国連邦(UAE)のドバイへ出向いて迎えた一戦では前半9分、MF柴崎岳(レガネス)からの浮き球パスに反応したMF相馬勇紀(名古屋グランパス)のゴールで先制も、同21分にセットプレーから失点、後半アディショナルタイムにはPKを与え、1-2で逆転負けを喫した。
主力ボランチのMF遠藤航(シュツットガルト)、MF守田英正(スポルティング)がそれぞれ脳震とうからの復帰途上、ふくらはぎの怪我により不在となったこの一戦で、森保監督は後半22分から鎌田を起用。これまでの主戦場だったトップ下ではなく、ボランチの一角を務め球際でボールを奪いきる強さ、懐の深いキープ力や長短のパスを織り交ぜた展開力を発揮するなど、まずまずのパフォーマンスを見せた。
フランクフルトでもボランチとして起用される機会があり、いざ代表で任されても問題なくプレーできることを証明。W杯の初戦ドイツ戦が直近に迫るなか、仮に遠藤、守田の起用が難しくなった場合、MF田中碧(デュッセルドルフ)、柴崎以外に、鎌田も選択肢の1人になり得るだろう。トップ下と天秤にかけた場合、果たしてどちらでプレーさせるのが適切なのか、玉田氏はこう持論を述べる。
「今の日本代表であれば、鎌田選手はトップ下で起用するのがベターでしょう。トップ下には代わりの選手が見当たらないですよね。トップ下かもう1つ前でも良いのかなと。自分ではボランチのタイプだとは言っていて、激しくボールを奪う力、展開力で違いは見せていたとは思いますが、とにかく代わりがいないので、前目のポジションが理想かなと思います」
今季のフランクフルトでドイツ移籍後、キャリアハイとなる公式戦12ゴールをマークしている鎌田。代表戦でも9月シリーズのアメリカ代表戦(2-0)で先制ゴールを叩き込むなど、攻撃センスのみならず、得点力にも期待できるとあって、玉田氏はより前目での起用を推奨した。
[プロフィール]
玉田圭司(たまだ・けいじ)/1980年4月11日生まれ、千葉県出身。名門・習志野高校から99年に柏レイソルへ入団。プロ5年目で主力に定着し、2桁得点をマークした。2004年に日本代表へ初招集。名古屋グランパスへ移籍した06年にはドイツW杯へ出場し、第3戦ブラジル戦でゴールを決めた。10年南アフリカ大会でW杯2大会連続出場。国際Aマッチ通算72試合16得点を記録した。セレッソ大阪、V・ファーレン長崎にも所属し、Jリーグ通算511試合131得点した左利きのストライカー。21年に現役引退を引退した。(FOOTBALL ZONE編集部)