サウジアラビア代表は22日、FIFAワールドカップカタール2022・グループC第1節でアルゼンチン代表を2-1で破った。この勝利を受け、同国の国王であるサルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ国王が、翌日を休日に設定した模様だ。『サウジ・ガゼット』が伝えている。

 今回のワールドカップで、サウジアラビア代表は初戦から“優勝候補”と目されているアルゼンチン代表と対戦した。試合は序盤に献上したPKをアルゼンチン代表の“エース”であるリオネル・メッシに決められ、サウジアラビア代表は1点を追いかける展開に。それでも、コンパクトな陣形でハイラインを設定したサウジアラビア代表は、アルゼンチン代表の速攻をオフサイドで仕留め、追加点を許さない。後半に入ると守備時に前への圧力を強め、48分にはサレー・アル・シェフリが同点ゴールを記録。その5分後にはサレム・アル・ドサリが狙い澄ました左足シュートをゴール右上に突き刺し、逆転に成功した。

 その後は集中力の高い守りを披露し、アルゼンチン代表に得点の機会を与えず、試合はこのままタイムアップ。サウジアラビア代表は、36戦無敗をキープして大会に乗り込んできたアルゼンチン代表相手に“大金星”をあげていた。

 この歴史的勝利の余波はサウジアラビア国内にも広がっている。ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の助言を受けたサルマーン国王は、アルゼンチン撃破を国民全体で祝福するため、試合翌日の23日を国民の休日に設定したようだ。公務員、民間企業の会社員、さらには学生も対象。現在同国の学生は試験期間の真っ只中だったが、同国の教育省は23日に予定されていた試験を12月7日に延期することを発表。また、サウジアラビア証券取引所も23日は活動を休止するという。さらに、首都のリヤドでは主要テーマパークや娯楽施設への入場料が、1日限定で無料になるようだ。

 大金星の影響はサウジアラビア国内だけにとどまっていない。アラブ首長国連邦(UAE)では、首都のドバイにある人工建造物として世界ナンバーワンの高さを誇る超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」が“サウジアラビアカラー”にライトアップされる動画が公開。隣国からも祝福の声が届いた。

 アルゼンチン代表を撃破し、“お祭りムード”に包まれているサウジアラビア代表。次節は26日に行われ、ポーランド代表と対戦予定だ。

【動画】ブルジュ・ハリファのライトアップ