確かに9月のゲームではハイプレスが光っていた

日本代表が9月の代表ウィークで得たものは多い。2-1と勝利したアメリカ戦では前線からのハイプレスがハマり、ショートカウンターから得点を奪える理想的な形となった。

その戦術の中心にいたのが、前田大然だ。アジア最終予選以降評価を高めているFWで、武器は自慢の快足だ。加速力でいえば世界でもトップクラスのスピードを持っており、攻守両面で輝きを放つ。

とくに効果的なのは、守備の場面でのスプリントであり、相手のビルドアップを混乱させる。大成功に終わったアメリカ戦の前半はこの前田がキーマンだった。そこでさらに評価を上げ、ワールドカップ・カタール大会行きを掴んだ。初戦ドイツ戦でも序盤から積極的にハイプレスを仕掛けるならこの前田が先発に適性がある。

前田はただ早いだけでなく、守備が上手い選手だ。ハイプレスの際は背中でパスコースを切ることができ、守備時のプレッシングが上手い。賢く相手を追い詰める術を知っており、そこに世界トップクラスのスピードが加われば相手は簡単に対処することはできない。

「僕は何週間、何カ月と難しい時期を過ごしましたが、コーチングスタッフから素晴らしいサポートを受けました。とくにハリー・キューウェルです。彼は自身の経験を共有してくれて、一緒に映像を見ました。これが大きな助けになっている」

「僕のプロとしてのキャリア、サッカー人生の中でハリーのようなコーチに出会ったことがない。だから今こうしてサッカーを楽しみ、レベルアップできているのは彼のおかげです」

「ハリーは選手と関係を築くのはとても上手い。私たちの良いところ、悪いところを明確に言語化してくれる」

スコットランドメディア『THE SCOTSMAN』では前田がインタビューに答えており、この成長はコーチの存在が大きいと明かしている。

キューウェルコーチはリーズ・ユナイテッドやリヴァプールでプレイした元プレミアリーガーで、オーストラリア代表としてのプレイ経験がある。イングランドのクラブで監督経験を積んでおり、2022年の6月からコーチとしてセルティックに帯同している。

自慢のスピードを生かす術を見つけた前田。新コーチとの出会いは大きく、ドイツ戦でその成果を見せることはできるのだろうか。