この勢いでコスタリカも撃破したい

日本代表のドイツ相手の勝利は世界を沸かせた。多くの海外メディアがこの勝利を取り上げており、各国でサムライブルーの評価が高まっている。初戦で得た勝ち点3は貴重で、続くコスタリカ戦で勝利となれば、決勝トーナメント進出が大きく近づくことになる。

なぜこのようなジャイアントキリングを達成することができたのか。前半はドイツに圧倒されており、日本は守ることしかできなかった。さらに権田修一のPK献上で失点を喫してしまい、ここから逆転を予想することは難しかったはずだ。英『The Athletic』はなぜ日本が逆転することに成功したのか細かく解説している。

まずドイツが日本を圧倒した前半についてだ。ドイツのフォーメーションは[4-5-1]で、試合の中でダビド・ラウムとジャマル・ムシアラがポジションを上げ、前線が5トップに変わっていく。日本はこの攻撃に対し4バックで対抗しており、左右に揺さぶられた際にどうしてもサイドの選手が空いてしまう。前半はとくに左のラウムを自由にさせてしまった。そのラウムがPKを獲得しており、ドイツは先制に成功している。その後もラウムが左サイドでフリーになるシーンが多く、ギュンドアンがパスを出していれば1点というシーンもあった。

前半を1失点で凌いだ日本は冨安健洋を投入して3バック(守備時は5バック)にシステムを変える。状況を変えなければならない場面でアタッカーの久保建英を下げてディフェンダーの冨安を投入するのは予想外だったが、この起用は理にかなったものだった。

日本のシステムは[3-4-3]に変わり、守備時は5バックで相手の5枚のFWに対応。プレス時は相手の3枚のDFに対しこちらも3枚のFWで見る形となった。こうすることによって選手の配置で対抗することができ、状況を不利から五分にまで戻した。

さらに日本は両ウイングバックに三笘薫、伊東純也と攻撃的な選手を配置し、アタッキングサードでの破壊力を上げる。三笘はベルギーやイングランドでWBを担当する試合もあり、その成果が生きた形となった。また攻撃時は3トップ+伊東と三笘の両WBで5トップとなり、4枚で守るドイツに前半と逆の立場で攻め込むことができていた。

ここまではシステムの話であり、試合を決める得点力がなければ意味がない。前半のドイツはその得点力・決定力が不足しており、試合後泣くことになった。日本には堂安、浅野とここぞというタイミングで決められるFWがおり、歴史を変えることに成功している。

日本はここで手の内を見せており、続くコスタリカ戦、スペイン戦、さらにはその先ではどのような戦い方を見せるのか。日本代表はここまで修正力のなさを指摘され続けていたが、この大一番で隠していた武器でドイツを打ち破った。