カタール・ワールドカップ(W杯)のグループB第2節、ウェールズ代表vsイラン代表が25日に行われ、0-2でイランが勝利を収めた。
アメリカ代表戦をベイルのPKで追い付き、1-1で終えたウェールズは、スタメンを1人変更して臨む。初戦の後半からダニエル・ジェームズに代わって存在感を発揮したムーアが先発で起用され、[3-5-2]でベイルとの2トップを組んだ。
一方、イングランド代表相手に2-6の大敗を喫したイランは負傷したGKベイランヴァンドを含めたスタメン5人を入れ替え、[4-3-3]を採用。タレミは左のウイングに入り、アズムンが最前線を務めた。
グループステージ突破のためには勝利必須の両チームとあって、序盤から攻守が入れ替わる激しい展開となる。
ウェールズはネコ・ウィリアムズがカットインから右足のミドルシュートを放てば、イランはシンプルな攻撃で応戦し、ショートカウンターからアズムンにフィニッシュシーンが訪れる。
12分のウェールズはC・ロバーツのクロスに好調・ムーアが飛び込むが、右足のシュートはGKの正面を突く。対してイランは16分、ゴリザデーが敵陣で横パスをカットし、アズムンのラストパスからネットを揺らす。だが、このパスのタイミングがオフサイドに。アズムンは自分でも打てる状況ながらより確実にパスを選択したが、結果的にゴールを逃すこととなった。
時間とともにウェールズが相手陣地でのプレーを増やし、イランがカウンターを狙うという構図がはっきりし始めた。ただ、互いにボックス内へのボールは増えるが、GKの出番は少ないまま。前半終了間際にセットプレー崩れからイランのヌロラヒがミドルを打つが、これもGKヘネシーが処理して45分を終えた。
両チーム交代なく迎えた後半はイランの速攻が鋭さを増す。51分、カウンターからアズムンが持ち込んでの右足が右ポストをたたくと、二次攻撃からのゴリザデーの左足ミドルは左ポストに。さらに、詰めたアズムンがヘディングで狙うも、GKの手中に収まった。
シュートシーンを作れないウェールズは2枚替えで流れを引き寄せようとするも、中盤以降はイランの時間が続く。73分にはイランのアンカー、エザトラヒがペナルティアーク右から低い弾道のミドルで狙い、GKヘネシーが辛うじて指先で触れて難を逃れる。
終盤のウェールズはさらなる逆境にさらされることに。GKヘネシーがカウンターへ対応すべく飛び出したが、PA外でタレミと接触。主審は最初イエローカードを提示したが、オンフィールドレビューの結果、レッドカードへと変更され、残り5分を切ったタイミングで数的不利となった。
イランは当然畳みかけるが、ウェールズも粘りを見せる。両者無得点のままタイムアップかと思われた追加タイム8分、歓喜を迎えたのはイランだった。ボックス手前でクリアボールを拾った途中出場のチェシミが右足を振り抜くと、渾身のシュートがここしかないという右隅へ決まった。
前がかりとなったウェールズを相手に、イランはさらにカウンターから追加点。数的優位の状況を迎えると、追加タイム11分にレザイアンがGKを越すループを沈めて勝負あり。
アディショナルタイムの2発でイランが劇的勝利を挙げた。
ウェールズ 0-2 イラン
【イラン】
ルズベー・チェシミ(後45+8)
ラミン・レザイアン(後45+11)【カタールW杯出場国ガイド】vol.8/ウェールズ代表