ポルトガル代表の絶対的エース、クリスティアーノ・ロナウド、通称クリロナ。37歳。
ヨーロッパ最優秀選手の証となる「バロン・ドール」を5度受賞。2009年から2018年までの9年間は、メッシとクリロナの2人でバロンドールを独占しており、常に「クリロナとメッシはどちらが優秀か?」という論議が巻き起こっていた。
【映像】クリロナの無慈悲ノールックパス
サッカー史上最多得点、代表最多得点、の記録保持者であり、3大リーグ(イングランド、スペイン、イタリア)すべてにおいて得点王、最優秀選手、を記録。各々の国でリーグ戦、カップ戦、スーペル戦の優勝経験を持つ世界唯一の選手。世界最高峰のチャンピオンズリーグ得点王7度でさえ付録のように思える、まるで漫画の世界のようなスーパースターだ。
プレースタイルは超がつくほどのオールマイティ。過去最高のゴール数を誇るセンターフォワードでありながら、引き技・シザース・股抜き・を入り交ぜたフェイントでタッチライン際のウイングプレーをも得意とする。
右左、どちらの足からも強烈なシュートをファーサイドにもニアサイドにも撃ち込み、ヘディングは恐ろしく高い打点を誇り、頭2つほど相手DFから抜け出してインパクトの瞬間は強烈にゴールラインに叩きつける。
クリロナは、フリーキックこそが最も得意で、ボールに回転をかけて壁を巻くコースというよりも、壁上に無回転でボールを無回転で壁上に叩き上げるという感覚で、決定的なゴールを決める。
両足を広げて「俺は今、ここにいる!」と叫ぶゴールパフォーマンスは重要な試合になればなるほど、出現率が高い。
サッカーの勝利に最も直結するゴールを、最も高い確率で最も多く生み出す。完璧な選手、それがクリロナだ。それなのに、何故かクリロナは、ライバルとされるメッシと比べられると「ヒール」(悪役)扱いされることが多い。
そんなクリロナがウルグアイ戦で見せたドヤ顔ノールックパスを紹介する。
クリロナが左サイドでギジェルモバレラととの一対一の場面でボディーフェイントから得意のシザースを2回かましサイドを突破をすると思いきや、無慈悲な表情でノールックパスを選択した。
このプレイからも切り取れるように、遊び心が過ぎて、対戦相手へのリスペクトを欠くような「リフティングドリブル」、人を小馬鹿にするような「ノールックパス」、曲芸師を思わせるような「背中トラップ」や、我を押し通すように見える「単独プレー」などがその理由なのだろう。いや、もしかするとあまりにもハンサムな顔立ち、モデルを彷彿させるスタイリッシュな肉体美、そして大金持ちに対する大衆の嫉妬?がその要因かもしれない。
ヒールかのか?それとも最高のヒーローになるのか。
クリロナにとって最後のワールドカップになるであろう舞台でどんな輝きを見せるのか。
サッカーの勝利に最も直結するゴールを、最も高い確率で最も多く生み出すクリロナの破壊的な能力は未だ健在だ。
(ABEMA/FIFA ワールドカップ カタール 2022)