サッカー日本代表は2日、グループリーグ突破をかけてFIFAワールドカップ・カタール大会スペイン戦に臨む。ただW杯優勝候補のドイツ代表を撃破しただけに、海外メディアが森保一監督のコメントの矛盾点を指摘している。

 日本代表は23日のグループリーグ初戦・ドイツ戦で2-1と逆転勝利。この試合では前半を0-1で終えると、後半キックオフからDF冨安健洋(アーセナル)が出場し、3バックシステムへ変更。MF堂安律(SCフライブルク)やFW浅野拓磨(VfLボーフム)らの投入など森保采配がことごとく的中していた。

 森保一監督はドイツ戦後のメディアインタビューで「感謝と敬意を表しつつ、これからもドイツや世界から学んでいきたい」とコメント。勝利したとはいえ、欧州の強豪に敬意を表していた。

 するとこの指揮官の発言を米メディア『ESPN』がスペイン戦前日に特集。「ドイツ戦後に謙虚さを持ち、対戦相手に敬意を示すことは決して悪いことではない。(相手へのリスペクトは)日本文化として知られていることである。それにここ数十年間にわたりヨーロッパサッカーが世界基準である」

 「森保一監督がつねに欧州サッカーを賞賛することの大きな問題は、(経緯を示すというメンタリティの)一般化だ。このカタールW杯で欧州の代表チームが複数敗れていることを踏まえると、過大評価と言える」

 「このコンプレックスは、前半キックオフのホイッスルが鳴る前から選手たちに自分たちはすでに負けているのだと思わせてしまう」と、森保一監督の発言が日本代表選手のメンタリティに与える悪影響を指摘。

 「森保一監督は、スペイン代表に勝てるという『自分たちを信じる』ことを選手に求めながら、『欧州に追いつこうとしている。欧州からまだ学ぶべきことがたくさんある』と主張するのは、選手に少々混乱を招くかもしれない」と、日本代表監督のコメントがダブルスタンダードだと突っ込んだのだ。

 その上で『ESPN』はスペイン戦にむけて「森保一監督は選手たちに自分たちを信じることを求めて、グループリーグ突破を決めるために、(ドイツ戦と)同じような自信と意思を持って選手たちを送り出せばいいのだ」とアドバイスを送っている。

 なお日本代表は12月2日のスペイン戦で勝利すれば、グループリーグ突破。敗れるとグループリーグ敗退が確定する。また引き分けた場合、グループリーグ突破の行方はドイツ対コスタリカの結果に左右される。