大舞台での経験の差か
FIFAワールドカップ・カタール大会ラウンド16クロアチア対日本の一戦が行われ、PK戦の末、クロアチアがラウンド8の切符を掴んだ。日本はドイツ、スペインを破る大金星を挙げたが、ここでW杯から姿を消すことになった。
90分、延長の30分、計120分で日本は悪くないパフォーマンスを見せた。守備面では最前線の前田大然が積極的にプレッシングを仕掛け、相手のビルドアップに制限をかける。攻撃面ではセットプレイに工夫が見られ、その前田が前半に先制ゴールを決める。
守護神権田修一の活躍にも触れなければならない。大会前はシュミット・ダニエルに先発の座を奪われそうになったが、森保一監督は権田を使い続けた。その期待に応えており、クロアチア戦では3セーブを記録している。
120分間で日本はクロアチアに対し互角、もしくはそれ以上の輝きを見せるも場面もあったが、PK戦での両者の実力は雲泥の差があった。日本は南野拓実、三笘薫、吉田麻也がPKを失敗。対するクロアチアは3人が決め、次のステージに進んだ。
英『The Athletic』によると、クロアチアはW杯のベスト16以降これまで3回のPK戦を行い、勝率は100%だという。PKの成功率も14回中10回の71%とかなり高い。PK戦を3回以上行っている国で、勝率100%はクロアチアだけであり、シュート成功数も上位につけている。
対する日本はこのクロアチア戦含め2回行っており、勝率は0%。シュート成功数も8回中4回50%と高くない。
PK戦までの120分は悪くなかっただけに、PKの改善は必須となる。ただトレーニングと実戦は別であり、所属クラブで経験するしかない。各リーグのカップ戦やCL、ELと欧州のコンペティションではPK戦があり、より多くの選手が上のクラブでプレイして経験を積むしかない。自信を得るしかないのだ。