FIFAワールドカップカタール2022・決勝戦のフランス代表戦を18日に控え、アルゼンチン代表を率いるリオネル・スカローニ監督が前日会見に出席した。
大会開幕前は公式戦36試合無敗を維持し、優勝候補の一角と目されていたアルゼンチン代表。だが、グループC開幕戦ではサウジアラビア代表に1-2と逆転負けを喫し、まさかの幕開けとなった。それでも、その後は安定した強さを披露。2連勝でグループ首位通過を果たすと、決勝トーナメント1回戦でオーストラリア代表、準々決勝でオランダ代表、準決勝ではクロアチア代表を下し、2大会ぶりの決勝戦に辿り着いた。スカローニ監督は「まもなく決勝戦だが、最も重要なのは“旅”、つまり過程だ。楽しむことで味わいは変わってくるんだ」とコメント。ここまでのプロセスを評価しただけでなく、「今、チームは最高の状態だ。我々にとっての“勝利”とは、1人1人がチームの一員であることを実感できること。それはこれまでチームを支え、今大会はここにいない選手たちに対してもだ。彼らがここにいたいと思ってくれることは、私にとって誇りだよ。基本的なことだがね」と決勝戦を目前としたチーム状況にも触れた後、以下のように続けた。
「試合が始まるまで、この瞬間を楽しまなければならない。全ては歴史に残ることなのだから。願わくば、すべての人を巻き込み、喜んでもらえるようにしたい。そして、最終的には優勝できれば最高だ。どう攻めるか、明確なゲームプランも持っているよ」
決勝戦の対戦相手となるフランス代表は、史上3カ国目となる連覇に王手をかけた状況だ。負傷者が続出してもなお豊富なタレントを抱え、特に“エース”のキリアン・エンバペはここまで5得点を記録。得点ランキングのトップを走っている。スカローニ監督は「フランス代表にはエンバペがいるが、彼を輝かせる優秀な選手たちも数多く揃っている」と前置きしつつ、「彼は偉大な選手の1人だ。まだ若く、これからも向上し続けるだろう」と称賛した。一方、同じく5得点を決めている“エース”はアルゼンチン代表にも存在する。「明日の試合は、メッシ対エンバペを越えて、アルゼンチン対フランスとなるはずだ。もちろん、2人とも必要な武器を持っているが、他の選手たちも試合を決めることができる優秀な選手たちだ」とも強調し、リオネル・メッシのコンディションについては「レオは元気だし、自分たちの思い通りになることを祈ろう」と話した。
現在、アルゼンチン国内では26年ぶり3度目の優勝を目前に控え、人々が大熱狂に包まれている。アルゼンチン代表のファンを「世界ナンバーワン」と表現したスカローニ監督は、「彼らは喜びを必要としていた。確かにその喜びは我々が与えたが、人々の喜んでいる映像は我々の元に届き、チームに感動を与えてくれているんだ。サッカーはスポーツだが、アルゼンチンではスポーツ以上の存在だ。このワールドカップで人々が幸せになってくれたことは、私にとって本当に喜ばしいことだよ」と述べている。
また、負傷の影響で出場が懸念されているアンヘル・ディ・マリアにも言及。「ディ・マリアは元気で、プレーする準備はできている。今週はずっと通常のトレーニングをこなした。試合には出られるよ」と、出場にゴーサインを出した。
FIFAワールドカップカタール2022・決勝戦は、18日の日本時間24:00(19日の0:00)にキックオフ。試合はNHK総合、NHK BS4K、ABEMAにて生放送される。