現地時間12月10日、カタール・ワールドカップ(W杯)の準々決勝で、FIFAランキング4位のフランスと、同5位のイングランドが激突した。

 今大会屈指の好カードは、17分に目の覚めるようなゴラッソで動く。グリーズマンからゴール前でパスを受けたチュアメニがワンステップで右足を一閃。強烈なシュートをゴール左に叩き込み、前回大会覇者のフランスが先制に成功する。

 ビハインドとなったイングランドは、22分にケインが巧みな入れ替わりからペナルティエリア内に侵入。絶好機を迎えるが、タイミングよく前に飛び出してきたGKロリスの好守に遭う。

 追加点を狙うフランスは39分にデザインされたFKから、ここまで5ゴールのエムバペがシュートを放つも、クロスバーの上を大きく越える。

 1-0で折り返すと、イングランドは後半開始直後の47分にCKの流れから、ベリンガムが強烈なシュート。しかし、フランス代表歴代単独トップの143試合目の出場となったロリスのビッグセーブに阻まれる。
 
 それでも54分、サカがエリア内でチュアメニに倒され、PKを獲得。これをケインがきっちり決め、ついに同点に追いつく。29歳の大エースはこれで代表通算53ゴールとなり、ルーニー氏と並び、イングランド代表の歴代最多スコアラーとなった。

 終盤にかけては膠着状態が続くなか、迎えた78分に追いつかれたレ・ブルーが再び一歩前に出る。グリーズマンのピンポイントクロスからジルーがヘッドで押し込んだ。

 ただ、粘るスリーライオンズは84分、今度は途中出場のマウントがテオ・エルナンデズに倒され、この日2度目のPKをゲット。だが、ケインのキックは無情にもクロスバーの上を越え、決定機を逃す。

 その後もイングランドは必死の反撃を続けるが、結局最後まで2点目は奪えず。2-1でタイムアップの笛が吹かれ、イタリア(1934、1938)、ブラジル(1958、1962)に次ぎ、史上3か国目のW杯連覇を目ざすフランスが4強入りを決めた。

 14日に行なわれる準決勝では、スペインとポルトガルを連破し、勢いに乗るモロッコと対戦する。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【動画】これぞゴラッソ!フランス代表チュアメニ、ド迫力ミドルを突き刺す! ※投稿の白地部分をクリック