もう少し若ければステップアップの可能性もあった
目指していたベスト8進出は叶わなかったが、日本代表のFIFAワールドカップ・カタール大会での挑戦は今後に期待を持てる大会となった。
日本はグループステージでドイツ、コスタリカ、スペインと対戦。2勝1敗の首位通過で決勝トーナメント進出を決めた。
日本はカタールでこれまでほぼ使っていなかった3バックで結果を残した。終盤には右のウイングバックに伊東純也、左のウイングバックに三笘薫を置く攻撃的な並びとなり、W杯優勝経験国であるドイツ、スペインを苦しめた。
伊東は今大会で評価を高めた選手の一人だ。
アジア最終予選では主に[4-3-3]の右ウイングで起用されており、攻撃の軸としてチームをけん引した。スピード、テクニック、フィニッシュの精度とどれも高く、三笘薫が台頭するまではこの伊東に大きな負担がかかっていた。
W杯では一つポジションを下げたWBでプレイすることになる。これが伊東にハマった。サイドを90分間常に上下できるスタミナを持っており、プレイの精度も落ちない。攻撃面では推進力のあるドリブルでボールを運び、守備強度も高い。理想的なWBだった。
「伊東は運動量に加え、技術力も兼ね備えているという点で、ワイドマンの教科書に載っているような選手である。スピードに乗ったプレイで相手を翻弄し、背後を突くことを得意とする」
仏『Get French Football News』では伊東をワイドマンのお手本であると称賛している。攻撃的なポジションだけでなく守備的なポジションにも挑戦しており、今大会でさらに汎用性を高めた。
近年の伊東の躍進は目覚ましいものがある。今夏の移籍市場ではリーグ・アンのスタッド・ランスの移籍しており、2トップの一角を経験している。現在はチームの監督が変わり従来のサイドでプレイしているが、2トップの一角でも悪くない動きを見せていた。
伊東は29歳ともう若くない。4年後のW杯では33歳となっているが、今後も最前線を走り続けることはできるのだろうか。