準々決勝フランス戦の2本のPKにFWディーニーが見解
イングランド代表はカタール・ワールドカップ(W杯)準々決勝でフランス代表と対戦し、1-2で敗れて敗退。この試合中で2本のペナルティーキック(PK)を任されたエースのFWハリー・ケインに対し、イングランド2部バーミンガム・シティでプレーするFWトロイ・ディーニーが「2つ目のPKを外すことは、2つの兆候から分かっていた」と持論を展開している。英紙「ザ・サン」が報じた。
準々決勝でフランス戦では、後半に2度のPKを獲得。キッカーのケインは1本目を落ち着いて決めたが、2度目のチャンスではクロスバーの上に外してしまい、1-2で敗退が決定している。
ディーニーは「傲慢な物知りのように聞こえるかもしれないが…」と前置きしたうえで「私はケインがフランス戦で最初のPKを決めると確信していたし、彼が2本目のPKを外すことも確信していた」ときっぱり言い放った。
「試合を見ていると、ほぼ100%の確率でその選手がスポットキックを成功させるかどうかがわかる」と自信を持って話すディーニー。「私も何年もPKをやっているが、定期的にやっている人なら誰でもそうであるようにかなりの本数を失敗している」と経験から想定するPK時の選手の状態を考察した。
ディーニーによればケインの1本目のキック時は「集中したような表情をしていた」と見解。一方、失敗した2本目については「呼吸が乱れ、視線があちこちに飛んでいた」と違いを指摘し、「彼が枠外にボールを飛ばしたとき、驚かなかった」と語っている。
それでも「彼は現在、イングランド代表の歴代最多得点王であり、最も安定したPK獲得者だ」とケインの実力を認めたうえで、大舞台のPKが持つ異様な空気を独特な論調で述べた。「彼の心拍数はどれくらいだったか。1本目は1分間に85〜100回、2本目は145〜160回くらいではなかろうか」と考察し、「プレッシャー、注目度、そして2点目を取るという責任は計り知れないものだったに違いない。さらに、ケインは10年来の友人であり、チームメイトでもあるウーゴ・ロリスとの対戦には複雑な心境だっただろう」と心境を推測している。
さらにディーニーは「PKのプレッシャーに勝るものはない。サッカー界で最も孤独な感覚だ」と経験を踏まえ「自分を見下ろしているような、幽体離脱のような感覚になる」と個人的な対処法についても言及。「自分をリセットすることが大切。呼吸法も有効だね。私が学んだのは、米航空宇宙局(SAS)が極寒の水に飛び込むときに使うもので、4回短く、4回長く呼吸するもの。これは効果的だった」と自身が実践している呼吸法も明かしていた。(FOOTBALL ZONE編集部)