ナントからフランクフルトに加わった大型FWは一躍有名に
昨夏にフランスのナントからフランクフルトへ移籍してきたとき、FWランダル・コロ・ムアニの知名度は決して高いとは言えなかった。ナントでは昨季12ゴール4アシストの数字を残していたが、チームの順位は9位と平凡な位置に留まっていた。コロ・ムアニに大きな期待をかけていたフランクフルトサポーターは少なかっただろう。
しかし、この1年でコロ・ムアニの状況は大きく変わった。昨夏U-24フランス代表の一員として東京五輪を経験すると、今年9月にはフランスA代表デビュー。
フランクフルトでは今季ここまでリーグ戦14試合で5ゴール9アシストの成績を残しており、187cmのサイズと高い身体能力に加え、思った以上に足下の技術が柔らかいと評判に。チャンスメイクもできるセンターフォワードだと証明することになり、それがA代表招集へ繋がった。
さらにFIFAワールドカップ・カタール大会を目前にFWカリム・ベンゼマが離脱したこともあり、急遽コロ・ムアニが追加招集。ベスト4のモロッコ戦では途中出場からゴールまで奪ってしまい、一躍その名は世界に轟いた。
モロッコ戦で決めた得点も、FWキリアン・ムバッペが放ったシュートが自分のところにこぼれてくるラッキーなものだった。あそこで自分の前にボールが飛んでくるあたり、コロ・ムアニはいわゆる「もっている」ストライカーなのだろう。
今年3月時点では1500万ユーロだった市場価値も、今では倍となる3000万ユーロまで上昇。移籍情報サイト『Transfermarkt』はまだ上昇するはずと注目しており、フランクフルトとしては思わぬ掘り出し物FWを手にすることになった。それもナントからフリーで獲得しているのだから見事だ。
独『Sport Bild』によればフランクフルト側はもう1シーズンはコロ・ムアニを手元に残しておきたいようだが、コロ・ムアニの評価はどこまで伸びるのか。急激なペースでコロ・ムアニを取り巻く環境は変わっている。