フランス代表を率いるディディエ・デシャン監督がPK戦の末に敗れたアルゼンチン代表戦を振り返った。
史上3カ国目となる連覇を目指したフランスは、18日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)の決勝でアルゼンチンと対戦。3-3のスコアで120分の戦いを終えたが、PK戦に2-4で敗れて無念の準優勝となった。
今大会の最終盤に入ってウイルス蔓延の影響で多くの選手が体調不良に苦しめられたレ・ブルーは、現状のベストメンバーを決勝のピッチに送り込んだ。しかし、その前半はアルゼンチンのパフォーマンスレベルが非常に高かったことを差し引いても、前大会王者のパフォーマンスは芳しくなく、2点ビハインドに加えシュート0という屈辱的な内容だった。
それでも、2度の交代機会を使って徐々に盛り返すと、FWキリアン・ムバッペの圧巻の活躍もあって2点のビハインドを撥ね返す。その後、延長戦でも再び追いつく気概を見せたが、最終的には前半と後半序盤の不出来が響き、悲願の連覇達成を逃した。
選手時代の1998年フランス大会、監督として2018年ロシア大会を制覇し、今大会では史上初の大会連覇を目指すも、あと一歩のところで悲願達成を逃した闘将は、「残酷」な結果となったファイナルを振り返った。フランス『AFP通信』が伝えている。
「最初の60分間は、より多くのエネルギーを持った最高品質の対戦相手に対して、うまくプレーできなかった。それでも、我々はどこからともなく巻き返し、非常に困難な状況からゲームを好転させた。それだけに、より多くの後悔を感じている」
「(コロ・ムアニの決定機によって)土壇場でワールドカップに勝つチャンスがあったが、そうはならなかった」
「2-0のスコアであれば、同じような後悔はなかっただろう。そのときには彼らに『ブラーボ』と言えばいいだけだ」
「アルゼンチンから功績を奪うつもりはないが、たくさんの感情があり、あと一歩のところでの敗戦は残酷だった」
また、指揮官が指摘したように試合開始から60分までの低調なパフォーマンスに関しては、やはり各選手の体調不良の影響が大きかった。
「なぜ我々があれほど良くなかったのかを説明する多くの理由があった。何人かの重要なプレーヤーはエネルギーが不足していた。それでも、経験の少ない若いプレーヤーを投入したことで、彼らが十分なフレッシュさとクオリティをもたらし、我々は夢を見続けることができた」
「しかし、残念ながら夢は叶わなかった」
最後に、今月末で契約が終了するものの、ユーロ2024までの続投の可能性が報じられる自身の去就に関しては、「今夜はそれについては話したくない」と言及を避けたが、年明けにフランスサッカー連盟(FFF)のノエル・ル・グラエ会長と会談を行うとしている。
「来年の初めに(ル・グラエ)会長と会う予定だ。彼と相談する」
「もし我々が勝っていたとしても、同じことを言ったはずだ。それには時間がかかる」