【写真・画像】「捨てられた日本人」戦後80年 日本国籍を求めてさまよう“同胞”を追って 12枚目
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「格子越しの画を多く撮った」という那須カメラマン

東樹:続編はまた違う作り方をして。VTRの冒頭からの部分は先に、「音楽」の候補が3曲くらいあって制作で話し合って決めました。冒頭から、「カチ、カチ」と時計の針が刻まれるSEが入っていて、その音がどんどん速くなっていくんです。そこに残留2世の人たちが1人カメラをみて立ってる映像を重ねていって、「残酷な時間の変化」が表現されています。

-今年、2025年は戦後80年です。「この節目が最後のチャンス」と支援者たちも肌で感じている、ということですが。

那須:僕は戦後60年、70年のタイミングでも戦争の特集をやってきました。それまでと一番違うのが「ネット」があることです。地上波でも放送する、誰でも世界中から見られるようにYouTubeでも配信する、ABEMAでもやる、テキスト記事でも長めにルポを書く、そういう色んな展開をしてこれまでになかった人たちにリーチができるようになったのは大きいと思います。今年も、できれば第3、第4と作って多くの人に知ってもらいたいです。

松本:「戦後80年」は、僕は報道に携わる人間として、今の世代の若い作り手にとって一番重要なのではないかと思っています。「戦後90年」では、もう駄目なんです。実際に戦争を経験した人たちに話を聞けるラストチャンスなんだ、そういう気持ちで僕は臨んでいるし、他の作り手にも何か、取材して表現してほしいと思っています。

●3月9日(日)午前10時~「テレメンタリーPlus 彷徨い続ける同胞」
新しい手掛かりを元にさらに取材した内容を放送(テレ朝系列関東ローカル)

松本健吾:2011年テレビ朝日入社。報道カメラマン、バンコク支局、社会部記者を経て、現在「有働Times」ニュースチーフ。東日本大震災の定点撮影、バングラデシュの少女売春の実態を取材したドキュメンタリー番組などを制作

那須雅人(なす・まさひと):1995年テレビ朝日グループ(株)フレックス入社。ニュースセンター映像取材部で撮影を担当。自身でも震災や戦争、コロナ禍などドキュメンタリー番組を多数制作。

東樹大介(とうじゅ・だいすけ):2004年テレビ朝日グループ(株)フレックス入社。編集マンとしてテレビ朝日の報道番組で制作を担当。映画の編集も手掛け、7月には戦後80年ドキュメンタリー映画「黒川の女たち」が全国順次公開予定。

聞き手:外山薫 写真:花田克治

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彷徨い続ける同胞 - ドキュメンタリー番組 テレメンタリー2025【土曜放送】
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