■相次ぐミサイルと自爆ドローン攻撃

【写真・画像】「捨てられた日本人」戦後80年 日本国籍を求めてさまよう“同胞”を追って 2枚目
拡大する

ドローンが炸裂した、オデーサの集合住宅

 ウクライナ南部の都市・オデーサ。2024年3月、ロシア軍の自爆型ドローンが炸裂したのは集合住宅だった。下敷きになった住民を救うため、救助隊が瓦礫を手作業で取り除く。運び出されたのは、子どもの遺体だった。罪のない人々の命が断ち切られた現場。12人が亡くなり、うち5人が子どもだった。

 東部のドネツク州。ロシア軍が迫る前線地帯の町、セリドヴォでも民間人の命が奪われていた。2024年2月、この町の病院にミサイル攻撃があった。深夜、住宅地を1発のミサイルが襲い、その負傷者が搬送された病院に、3発のミサイルが撃ち込まれた。時間差をおいてのミサイル攻撃はロシア軍がよく使う手法だ。被害の拡大を狙ったものとみられる。

【写真・画像】「捨てられた日本人」戦後80年 日本国籍を求めてさまよう“同胞”を追って 3枚目
拡大する

オルガ・マスロさん。妊娠8か月だった娘を失った

 病院で亡くなった妊婦、カーチャ・グーゴワさんの自宅を訪ねると、母親のオルガ・マスロさんがカーチャさんの部屋に案内してくれた。

「みんな理由もなく死んでいく。なぜ死ななければならないの…」。

 カーチャさんは妊娠8か月で、まもなく生まれてくる赤ちゃんの誕生を心待ちにしていたという。おなかの子まで奪われたことに夫のセルゲイさんは、悔しさをにじませる。

「彼女は私をとても愛してくれました。優しくて繊細で…」。
「もう終わらせてほしい。この恐怖を…」。

砲弾が取材班の近くに…
この記事の写真をみる(8枚)