ウクライナ南東部ザポリージャ州・オリヒウ。2023年、地元警察のオレクシー巡査が、住民が避難して無人になった町を一緒にまわってくれた。ここはその後、ウクライナ軍がロシア軍に対する大規模な反転攻勢にでた拠点となった町だ。爆撃で空いた大きな穴を撮影していたその時、砲弾が取材班の近くに飛んできた。砲弾はすぐ先に着弾。オレクシー巡査とともにその場を離れた。

 住民のほとんどは町から逃れたが、わずかに残る高齢者が、避難所となった学校の地下室に身を寄せていた。ボランティアが食事を提供し、避難民を支えていた。だが、取材の2カ月後、この避難所はロシア軍に爆撃され、住民とボランティア・スタッフらが犠牲となった。

 ウクライナ南部・オデーサ。防空警報のサイレンが市内に響き渡る。頻繁に鳴るため、慣れてしまった市民も少なくない。この夜も防空警報が鳴った。ホテルの窓の隙間から外をのぞくと、ミサイルの着弾音が聞こえた。

「戦争がなくなること、ほかには何もいらない」
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