■日本の支援の現場で
ウクライナには、西側諸国から武器の支援が続いている。その象徴ともいえるのが、ドイツから供与されたレオパルト戦車だ。そして2023年、日本政府は自衛隊車両などの提供を表明し、101台の車両がウクライナへ渡った。
東部ドネツク州。ロシア軍が迫るこの町で、日本政府が提供したとみられる自衛隊車両を見つけた。車の中にはベルギー製やチェコ製の自動小銃があった。この車両を使っていたのは外国人義勇兵部隊で、ウクライナ国防省指揮のもと戦っている。紛争当事国への自衛隊車両の支援は、武器輸出につながるとの懸念が出ている。
地雷や不発弾が残るヘルソン
日本が支援したもうひとつの現場、ヘルソンを取材した。ウクライナ軍とロシア軍が激しい戦闘を繰り広げたこの地域一帯には、いまも地雷や不発弾が残る。日本が供与した地雷金属探知機もあった。隊員は爆発に巻き込まれぬよう、ひとりずつ距離を置いて進む。各地に多くの地雷が残っているため、すべて取り除くには10年以上かかるという。彼らが命をかけて任務に取り組むのは、この大地を安全にして子どもたちの世代に引き継ぐためだ。
2か月前に地雷撤去が終わった畑では、農作業が再開されていた。ひまわり畑で作業していた地元農家の男性は「支援に感謝しています。ここで再び種をまき、復興できると思います」と語った。2か月後、ひまわりの種が芽をふき、力強く育っていた。
武器不足の前線部隊
