15年カメラと見つめた「ゼロからつくった街」

テレメンタリー
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“被災地の陸前高田”脱却して産業を

 そんな畑で取れたブドウで造った白ワイン「ドメーヌミカヅキ」が去年、完成した。本数は100と少し。「味は、ドライですっきり系です。海沿いでブドウを作っているので塩っけのある味。ミネラル感もあって海産物に本当によく合う。お寿司ともばっちりです」と及川さんは自信をのぞかせる。今後は、ワインの生産本数を増やすのはもちろん、ワイナリーの隣の宿泊施設でワインと地元の魚介とをペアリングしながら料理を楽しむ「陸前高田のワインツーリズム」を根付かせたいと意気込む。「言葉を選ばずに言うと、“被災地の陸前高田”から脱却していくことが必要だと思う」と言う及川さんに新世代を感じた。及川さんの働きかけが実り、陸前高田市は今年4月をめどに国から「ワイン特区」に認定される見通しだ。

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写真: 完成した及川さんの白ワイン「ドメーヌミカヅキ」

 最後どうしても、聞きたくて記者からこんな質問をした。

「Q,土地も持っていないのにワイナリーって博打感あると思うのですが、怖くなかったですか?」

 及川さんは「初期投資が大変なのはどの業界でも同じ。陸前高田には果樹を含めたストーリーがある。僕にもストーリーがある。初期の設定、ファンを作っていくためにもコンセプトが大事で、あとはどれだけ必要なスキルを積み上げていくか、です」と力強く返ってきた。さらに、今年4月からは東京大学の大学院生にもなりワインづくりの研究を進めるという。ファーストビンテージはもうすべて売り切ってしまったという及川さんのワイン「ドメーヌミカヅキ」。次作を口にする日が楽しみだ。

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写真:左・那須雅人カメラマン 右・及川恭平さん

記録の残し手「次世代」に期待
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