CFも世代交代が進みつつある
アジア最終予選では田中碧、三笘薫と若手が台頭した日本代表。両者ともに中盤とウイングで地位を確立しており、このまま行けばワールドカップ・カタール大会で出番を得られるだろう。
今回のメンバー招集では酒井宏樹が怪我で離脱しており、21歳の菅原由勢が2019年以来となる招集を受けた。酒井は怪我であり、復帰すれば菅原が外されてしまうのかも知れないが、ここにも世代交代の兆しがある。
センターフォワードでは大迫勇也が選外に。アジア最終予選では酒井同様に不動のストライカーだったが、今回はコンディション不良で招集外とのこと。このポジションは長く大迫が務めており、若手に出番が行き渡らないポジションだが、一気に世代交代が進むことになる。
そこで今回招集されたのが、海外組では古橋亨梧、浅野拓磨、国内組では上田綺世の3人である。上田は前回のアジア最終予選から続いての選出であり、フル代表が板についてきた。
注目は好調を維持する古橋、上田のどちらが先発で起用されるかだ。古橋は以前から素晴らしいストライカーだったが、怪我に悩まされておりアジア最終予選での出番は少なかった。怪我はすでに完治しており、セルティックでは伸び伸びとプレイしている。海外初挑戦で33試合20ゴール5アシストを記録しており、得点は20の大台に乗せている。とにかく動き出しと決定力に優れており、少ないチャンスを決めきれる存在だ。
対する上田は今季Jリーグで素晴らしい数字を残している。リーグ戦で8ゴールを決めており、得点ランキングではピーター・ウタカと並んで首位だ。ボックス内での空中戦、ボールを受ける動き出し、ボックス外からミドルシュートを突き刺すなど得点パターンが豊富で、今季の上田はとにかく止められない存在になっている。
親善試合はともかく本大会のスペイン戦、ドイツ戦ではよりスピードのある古橋が重宝されることになるか。この2試合では押し込まれることが予想されており、相手の背後には広大なスペースがある。アントニオ・リュディガーをはじめ相手にもスピードに長けたDFは揃っているが、速さであれば古橋もいい勝負をするだろう。そうなれば同じく快足の浅野にも出番は回ってくる。今季は27試合で3ゴールと少し物足りなさもあったが、2ゴールを決めたホッフェンハイム戦のように勢いにさえ乗れればドイツでも簡単にゴールを奪うことができる。
今勢いのある3人が選ばれたセンターフォワードの人選。特に古橋は怪我で離脱してから選ばれておらず、今回は久しぶりの代表となる。スコットランドでは敵なしであり、これからが非常に楽しみな選手だ。