日本代表の森保一監督が、キリンチャレンジカップ2022のパラグアイ代表戦に向けて記者会見に臨んだ。
カタール・ワールドカップ(W杯)の出場を決めた日本代表。7大会連続7度目のW杯となったが、グループステージでは、ドイツ代表、スペイン代表と同居。過去一番苦しいグループの組み合わせになった。
直近のW杯で優勝している世界の強豪を相手に戦うこととなる日本。その本大会に向け、予選突破後の最初の試合となるのがパラグアイ戦だ。
6月の4試合では、パラグアイの他に、ブラジル代表、そしてガーナ代表とW杯出場国との対戦が決定しており、チリ代表かチュニジア代表との対戦も待っている。
その4連戦の初戦となるパラグアイ戦に向けて、森保監督が意気込みを語った。
「ワールドカップに向けて最終予選を終えた後の最初の試合になります。最終予選で出てきた成果と課題を整理しながら、ワールドカップに向けて個の力、チームの力を上げていけるように、目の前の一戦で勝利を目指し、少しでも内容のある次に繋がる試合をしたいと思っています」
4試合についての考え方については「まずは全体的にこの4試合をワールドカップに向かっていく中で、グループリーグ、決勝トーナメントというシミュレーションをチームとしてやって行きたいと思います」とコメント。「パラグアイ戦、ブラジル戦に関してもそうですが、できるだけ多くの選手を使いながら、システム等々、状況によってですが試して行きたいと思っています」と、本大会を見据えたテストをして行きたいと語った。
それでも、「ただし、我々が試すことをやりながら、1戦1戦勝利を目指しながら戦うこと、代表としての責任を考えながら臨みたいと思います」とコメント。チャレンジ、テスト以上に、結果にこだわって行きたいとした。
まずは最初の2試合となるが、ブラジル代表戦が次に控えている。選手起用については「色々な起用の話がありますが、海外組の選手たちはオフ明けの状態で練習をしてきていて、コンディションがあったり、昨日、今日と集合してきた選手もいます。国内組の選手たちもギリギリまでリーグ戦を行っての参加となるので、ブラジル戦にこれまでの最終予選を戦ってきた軸となる選手を起用しようと思っていますが、練習を見てだと思っています」とコメント。万全のメンバーでブラジルと対戦したい意向を示した。
その中でチャレンジすることについては「トレーニングの中で、限られた時間ですけど、最終予選の終盤にやってきた形を軸としながら、システムを変えていくタイミングがあれば変えていくと考えています」と語り、[4-1-4-1]の形以外も試したいとした。
ただ、別メニューが続く守田英正(サンタ・クララ)は起用が難しい状況に。中盤の3枚が揃わない状況でのシステム変更を問われた森保監督は「アジア最終予選を戦っていて、[4-1-4-1]という形で中盤を戦い、選手もある程度固定してきました。その選手たちが力を持っていることももちろんですが、他にも力を持っている選手はたくさんいるので、ケガ人が出ても、誰が出ても変わらないように、チーム力が落ちないようにということで、色々な選手を試せればと思っています」と、選手ありきではなく、今のやり方に多くの選手が適応できるかを見たいとした。
また「システムに関しては、人がいないからではなく、違った形で試そうと思った時には、状況を見てやって行きたいと思います」と、システムや状況があってのこととし、「コーチ陣のミーティングでは、[4-1-4-1]、[4-2-3-1]、3バックも含めて、色々な可能性を含めてミーティングしているので、状況を見てやった方が良いと思った時には変えようと思います」と、臨機応変に、試合状況や相手の出方などを見て、システムや戦い方を変えたいとした。
その中でパラグアイ戦については「攻撃の部分であれば、守から攻への素早い攻撃で得点を奪うというところはより精度を上げなければいけないです。スピードある攻撃をサイドでやっていければと思っています」とコメント。「守備に関しては、課題ではないんですけど、アジアの戦いとは違って、パラグアイも世界の強豪ですし、世界と戦うことを考えると、これまでの守備でやってきたことをよりメリハリを持って、行けるときに行き、守備的にではなくそこからやっていけるようにというのは、アジアの戦いから世界に変えていかなければいけないと思っています」と語り、守りながらも攻撃を目指して守りたいと狙いを語った。
昨日の練習は早めに切り上げることになった日本代表だが、その点はコンディションや環境面を考えての判断だと森保監督は明かした。
「国内組の選手たちは週末の試合をして、日曜日から2日しか経っておらず、強い強度での練習ができないということ。海外組の選手は自主トレということでトレーニングを積んできてくれている中で疲労が溜まっているということでした」
「昨日無理矢理試合に向けて強度の強いことをやってもダメージを受ける。戦術的なことをインプットする状態ではないということで、トレーニングの内容を考えました」
「また、大体の選手が関東で過ごしていたと思いますが、気温差も30度ぐらいから十数度で20度近く差がある中で動くとケガのリスクもあるということで、戦術的なトレーニングとしてはクロスの入り方というのは次の試合に生きると思いますし、これまで戦ってきた中で、サイド攻撃というのも武器になっていたと思うので、そこを重点的にやろうと昨日決めました」
「長い時間、昨日の気温や気候でやるとコンディションを崩すと思ったので、短い時間で効率的にやりました」