日本代表は6月6日、国立競技場でFIFAランク1位のブラジル代表と対戦し、0-1で敗れた。雨が降りしきるなか、ブラジルの猛攻をよく凌いでいたが、75分に遠藤航がPKを献上。これを敵エースのネイマールに決められ、力尽きた。

 6万3683人が訪れたこの試合は、新型コロナウイルス対策のため、「声出し応援や指笛」が禁止された。この規則に注目したのが、ブラジルの大手メディア『Globo』だ。現地で取材したブルーノ・カスクッチ記者が「日本はコロナの蔓延を防ぐために、ブラジルとの試合中にファンが歌うことを禁止した。6万2000人以上の人々がほとんどの時間、黙ってフレンドリーマッチを見た」と題した記事を掲載している。

「ブラジルと日本の親善試合の最中、日本のファンの沈黙が注目を集めた。しかし、これはサムライブルーへの関心やサポートの欠如ではない。コロナの蔓延を防ぐための対策へのからのリスペクトからだった」
 
 カスクッチ記者は「日本の保健当局は、スタジアム内での叫び声や指笛を禁止した。このルールは、所々でポスターに表示され、大型スクリーンとアナウンスで強調された。ポルトガル語でもそれがあった」と続けている。

 そして、「拍手や太鼓の音が聞こえ、旗が振られていたが、沈黙の呼び掛けは尊重された」と日本サポーターの振る舞いを称賛。「日本のファンが後半に歌い始めた瞬間があったが、大型スクリーンに沈黙を求めるメッセージが表示されると、すぐにスタンドのボリュームが減少した」と伝えている。

 最後に、「人口約1億2500万人の日本で、コロナによる死者は3万人、感染数が890万人だ」と締めくくった。こうしたルールを守る姿勢が、比較的感染を抑えられている理由だと言いたかったのかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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