強豪との対戦では満足な結果が出ていない

今年のワールドカップ・カタール大会で死のグループEに入った日本代表は、初戦でドイツ代表と対戦する。

厳しいカードなのは間違いないが、ドイツの方もパーフェクトな状態とまでは言い難い。2014年のワールドカップ・ブラジル大会王者ではあるが、まさかのグループステージ敗退に終わった2018年のロシア大会以降は完全復活への道を模索する日々が続いている。

独『DW』が気にしているのは、強豪ショックから立ち直れていない点だ。7日にはネーションズリーグでイングランド代表と対戦したが、結果は1-1のドロー。4日のイタリア代表戦も1-1、その前の3月29日に行われたオランダ代表とのテストマッチも1-1のドローだった。対戦相手のレベルはいずれも高いが、勝ち切れていないのは事実だ。これに満足するドイツではない。同メディアもイングランド戦の内容に関しては一定の評価をしているが、勝ち切れていない部分は課題に挙げている。

ワールドカップ欧州予選は10試合を9勝1分の無敗で突破する盤石ぶりだったが、予選でレベルの高い相手と対戦していないのも事実。北マケドニア、ルーマニア、アルメニア、アイスランド、リヒテンシュタインと同じグループとなっており、かなり組み合わせに恵まれていたと言える。

一方で強豪との対戦では、昨夏のEURO2020ベスト16でイングランド代表に0-2で敗れたことも記憶に新しく、2020年11月にはネーションズリーグでスペイン代表に0-6のスコアで負けるゲームもあった。良い選手が揃っているとはいえ、グループステージ敗退に終わったロシア大会以降はバタバタしたゲームも目につく。

中でも同メディアが1-1で引き分けた7日のイングランド戦で問題視したのが攻撃部分で、決定力を欠いているとの評価だ。このゲームではカイ・ハフェルツ、トーマス・ミュラー、ジャマール・ムシアラが先発し、途中からはセルジュ・ニャブリ、レロイ・サネ、ティモ・ヴェルナーなど一流アタッカー陣が出てきたものの、彼らFW陣はイングランドから得点を奪えなかった。ミュラーは決定力の高い選手だが、以前のミロスラフ・クローゼのように絶対的な点取り屋と呼べる純粋なセンターフォワードが不足しているのはドイツの弱点かもしれない。

ドイツVS日本ではドイツが明らかに優位と考えられるが、日本にもチャンスがないわけではない。ドイツも試行錯誤の最中にあり、先日のブラジル戦のように粘り強い守備を続けられれば接戦に持ち込めるのではないか。ドイツもまだ4年前から完全復活したとは言い難いだろう。