リバプールの日本代表MF南野拓実(27)の獲得に関してクラブ間合意に至ったとされるモナコ。スポーツ・ディレクター(SD)のポール・ミッチェル氏の戦略勝ちだったようだ。フランス『レキップ』が伝えた。

2020年1月にザルツブルクからリバプールへと加入した南野。2年半在籍し、チームはプレミアリーグやFAカップ、EFLカップ(カラバオカップ)で優勝。今シーズンはチャンピオンズリーグ(CL)で決勝まで駒を進めるなど、結果を残していた一方で、公式戦通算53試合で14ゴール3アシストに終わっていた。

特に今シーズンは優勝を果たした2つのカップ戦で目覚ましい活躍を見せたものの、決勝の舞台にはどちらも立てず。タイトルが懸かった試合で必要とされていないことで、チーム内での立場が浮き彫りとなっていた。

本人も「僕が出る試合は誰も興味のない試合が多かったので、結果を残しても反響があるわけではない」とコメント。重要な試合での出番がないことに触れ「悔しさをモチベーションというか、怒りのモチベーションというか、常にそういう気持ちでした」と、置かれた立場に苛立ちもあったことを口にしていた。

その南野にはミッチェル氏が目をつけており、来シーズンはチャンピオンズリーグ(CL)を戦うチームにおいて経験者を手にしたい状況。「攻撃的でありたい、しかし戦略的に」と補強の方針を口にしていたが、その中でザルツブルク時代から気にかけていた南野の獲得に手を挙げたようだ。

リバプールとは基本移籍金1500万ユーロ(約21億5000万円)で合意に至ったとされ、5回の分割払いで支払われるとのこと。ミッチェル氏は「非常に興味深いプロフィールを持つ選手を採用するには、才能に見合ったとても大きなオファーが必要だ」と語っており、南野への期待も高いことが窺える。

モナコは、今夏レアル・マドリーへ移籍したフランス代表MFオーレリアン・チュアメニのおかげで8000万ユーロ(約114億8500万円)、またパリ・サンジェルマン(PSG)とフランス代表FWキリアン・ムバッペが契約を延長したことで3500万ユーロ(約50億2500万円)を手にすることとなり、資金面は全く問題ない状況。SDが自信を見せ、南野の移籍金を支払える理由もここにあったようだ。