7月3日、韓国メディア『傾向ニュース』は「日本に連続で惨敗…それでも韓国のユースシステムは変革しないのか」と題した記事を掲載した。

 同メディアは「昨年から各世代の韓国代表と選抜チームが日本に相次いで惨敗した」と切り出し、こう綴っている。

「パウロ・ベント監督が率いるA代表は昨年の強化マッチで0-3だった。本当に無気力だった。ファン・ソンホン監督は、1か月前のU-23アジアカップで、U-21で構成された日本に0-3で完敗した。本当に屈辱的だった。U-16代表も先月、日本で開かれたインターナショナルドリームカップで日本に0-3で敗れた。デンソーカップに出場した大学選抜も0-5とさらに点差が大きくなった」

 記事は「主力が抜けたなど言い訳はあるかもしれない。ただ、それが完敗した根本的な原因だろうか」と続け、先月に行なわれたブラジル代表との親善試合を引き合いに出し、こう指摘している、

「韓国と日本のパフォーマンスを間接的に比較できるのがブラジルとの強化試合だ。韓国は1-5で大敗した。4日後、日本は(ブラジルと)0-1だった。スコアの差も大きかったし、内容も違った。韓国は始終ブラジルに主導権を握られた一方、日本は自分たちのプレーをしながら、ほぼ対等に戦った。日本が韓国より技術が高く、より戦闘的だったのは否定できない」

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『傾向ニュース』は「Aマッチは11人対11人の戦いではない。両国のユースシステム間の衝突だ。選手たちの出来は、ユースシステムで成長して送り出された結果だ。韓国がブラジルやスペインなど世界の強豪に完敗する理由、アジアのライバであるル日本に相次いで大敗する理由、過去に軽く倒せた東南アジアの国にさえ厳しい戦いの末に勝っている理由はすべて間違ったユースシステムから始まっている」と糾弾している。

「韓国の選手たちは、幼い頃から個人技の開発より組織力を高めることに注力する。相手を抜くよりパスすることに、ゴールを入れるよりボールを回すことに、チャレンジする動きよりもバランスを崩さない安定したプレーに集中する」

 さらに、その結果として、守備的なサッカーや受動的で控えめなプレーがはびこっていることを指摘し、「こんなユースシステムでどんな選手が出てくるか。個人技が不足して判断力が弱く、消極的なプレーをする選手たちだ」と非難している。

 そして、「我々はソン・フンミンに歓呼し、ファン・ヒチャンを誇りに思う。イ・スンウ、ペク・スンホに期待をかける。しかし、彼らは国籍は韓国だが韓国ユースシステムで成長した選手だと言うのは難しい。いずれも10代前半で、ドイツ、スペイン、オーストリアに渡った。パフォーマンスを最大化するための最も重要な時期をヨーロッパで過ごした。韓国のユースシステムが良ければ、ヨーロッパに行くだろうか」と続け、こう訴えている。

「彼らが韓国人であることに陶酔し、韓国ユースシステムが良いと勘違いしてはならない。ベルギー、オランダなど韓国より人口の少ない国がFIFAランキングでトップ10に入り、世界最高の選手を輩出するのは卓越したユースシステムのおかげだ」

「韓国サッカー協会のチョン・モンギュ会長は2013年の協会発足80周年に、「2033年までにFIFAランキング10位以内に入れるようにする」と宣言した。ところがチョン会長は先月の2002年韓日ワールドカップ20周年記念行事では、「今後30年以内にFIFAランキング10位に入る強国になるよう努力する」とした。2013年宣言は空虚になり、2022年宣言は後退した」と指弾した『傾向ニュース』は、こう締めくくっている。

「FIFAランキング10位に入る? サッカー後進国の水準にある韓国のユースシステムを変革しなければ、絶対に達成できない目標だ」

構成●サッカーダイジェストWeb編集部