【プレミアリーグ】マンチェスター・ユナイテッド3-1アーセナル(日本時間9月5日/オールド・トラッフォード)
ベルベットパス──それは、布のように優しいパスのことを言う。日本代表・冨安健洋が味方に送り届けたのは、まさに “どうぞ決めてください”と言わんばかりのなめらかな浮き球。そのプレーを目撃したファンは「冨安うっま」「スタメンで使わない意味わからん」など、数々の称賛の言葉を残した。
開幕から唯一の5連勝を飾り首位を走るアーセナルはこの日、ホームのマンチェスター・ユナイテッドに苦戦を強いられていた。先制を許し、60分に同点に追いついたものの、66分に勝ち越され、75分にさらに突き放されるゴールを奪われてしまう。
そんな展開のなか、80分にイングランド代表・ホワイトに代わってピッチに送り出された冨安が、反撃の狼煙を上げる華麗なキック──ベルベットパスを繰り出した。
右サイドを起点に攻撃するアーセナル。ポルトガルU-21代表歴のある22歳・ヴィエイラからマイナスに戻すパスを受けたのが冨安だった。右足でトラップしながら中央に運び、顔を上げて状況を確認すると、次の瞬間、2タッチ目で左足での縦パスを選択。右前にわずかにできていたスペースを見逃さず、狙った位置に寸分違わずに送られたボールだった。
これに反応したのが、イングランド代表・サカ。この日、1ゴールを挙げていたサカはボックス内へと侵入していたが、驚くべきはその時に“トラップしていない”ことだった。冨安から送られたボールはワンバウンドしたタイミングでスピンがかかり、絶妙な転がりに。味方にとって、これほど優しいボールはないだろう。ABEMAの視聴者はこのプレーを「うっま」「冨安うま」「冨安いい!」「トミー足元うまくなってる」と絶賛した。
残念ながらボックス内でキープしたサカがゴールに迫ることはできなかったものの、守備でも大きな貢献を見せる冨安が攻撃でも決定的な場面を演出できることが証明された場面。今季、これまで5試合連続途中出場にとどまっているものの、ファンからは「スタメンで使わない意味がわからん」と、冨安の先発待望論を寄せるいくつものコメントであふれた。
試合は結局1-3のまま終了し、アーセナルは今季初めての黒星。それでも、多彩な攻撃陣や冨安が示した攻守における献身性など、チーム状態は決して下向いているわけではない。次戦、アーセナルはホームでエヴァートンとの一戦に臨む。(ABEMA/プレミアリーグ)