セルティックで高い評価を得ている
9月に2試合の親善試合を戦う日本代表のメンバーが発表され、従来の人数よりも多い30人が招集された。以前から継続して呼ばれている既存戦力が全体の多くを占めるが、守備陣では瀬古歩夢、中盤では旗手怜央と今季のクラブでの活躍が招集につながったと予想できる選手もいる。
昨季の冬にセルティックに加わった旗手は22-23シーズンの序盤から好調を維持している。リーグ戦では2アシストを記録しており、CLでも攻撃面で存在感を放つ。昨季の王者であるレアル・マドリードと対戦した際は高い評価を得ており、スコットランドメディア『THE SCOTSMAN』では「セルティック最高の選手」「モドリッチ、クロースと中盤で互角」と称賛された。直近のCLシャフタール・ドネツク戦でも得点シーンに絡んでおり、評価を上げ続けている。
昨年の夏に開催された東京五輪では森保一監督のもとでプレイしており、フル代表歴もある。そのベトナム戦では前半のみの出場と悔しいものになってしまったが、今のセルティックでのパフォーマンスを披露できれば、既存の中盤の選手と張り合うことは十分に可能だ。
日本代表は[4-3-3]をベースに戦っており、旗手が起用されるならインサイドハーフだ。セルティックでの表記はダブルボランチの一角だが、インサイドハーフ気味に振舞うこともあり、代表でプレイした際の違和感は少ないと予想できる。
中盤3枚はアンカーが遠藤航、インサイドハーフに守田英正、田中碧がおり、アジア最終予選や6月の4連戦を見る限りこの3人の序列は絶対的だ。旗手が争うべきは田中と守田で、元川崎フロンターレ組になる。
旗手はアタッキングサードで違いを生むこともできるが、レアルとのCLで目立ったのは中盤や後方で受けたボールを前線に運ぶ役割だ。レアル戦ではオーレリアン・チュアメニやルカ・モドリッチらの激しいプレッシャーに遭いボールが進まなかったセルティックだが、旗手はそんな圧力を苦にせず、冷静にボールの収めどころになり攻撃を進めている。これができるだけで一気に中盤で落ち着きが生まれ、余裕が生まれる。
日本代表はワールドカップ・カタール大会にてドイツ代表とスペイン代表の格上と呼ばれる国と対戦する。その際はセルティックがレアル戦で感じたようなプレッシャーを受けることになるが、強心臓の旗手がいれば安心だ。
6月での招集はなかったが、セルティックでの活躍もあり返り咲きを成功させた旗手。本戦ではここから4人が削られ26人となるが、カタール行きを掴むことはできるのだろうか。