元日本代表FWの城彰二氏が10月2日、自身のYouTubeチャンネル『JOチャンネル』で最新コンテンツを公開。フランス・ワールドカップ(W杯)後に受けた批判について語った。

 1998年のフランスW杯に日本代表の主軸ストライカーとして臨んだ城氏は、グループステージの3試合で無得点。岡田ジャパンは3戦全敗で敗退した。

 試合中にガムを噛み、シュートを外した後でも笑顔を見せていた城氏を、元日本代表MFのラモス瑠偉氏がテレビで激しく批判。その影響か、城氏は帰国直後の空港で水をかけられてしまう。ただ、城氏がガムを噛んでいたのには理由があった。

「歯の嚙み合わせがすごく悪くて。お医者さんとずっと色々試行錯誤していた」

 今はマウスピースを使う選手も多いが、「昔のマウスピースは、息ができない。分厚くて、苦しい」ため、医療用のガムを噛んでいたという。

 いわばパフォーマンスを上げるためのガムが、“チャラチャラしている”という印象を与えてしまったわけだ。それでも城氏は、「理解してほしいなんて思わない」「おれはエースとして出て、結果が残らなかった。それに対する批判だと思っているから」「全ての責任だから、言われても当然だと思う」と話した。
 
 理由として、城氏は「それがアマチュアとプロの世界の違いだよ」とキッパリ。

「結果だから、全て。特にフォワードは結果を残さなきゃいけない。結果を残せなければ、どんな批判でも浴びなきゃいけないし。日の丸を背負ってプレーするってことは、それだけ跳ね返りもある」

 また、ラモス氏には後日、感情的になった点を謝られたが、「そんなこと言わないで下さいよ。おれたちはプロの世界だから、言われるのは当たり前だし。謝られるのは、逆に嫌だ。結果を残せなかったんだから、エースとして背負わないといけないでしょ」と返したという。

 さらに、城氏は日本代表の重みにも言及。同級生で共に96年のアトランタ五輪に出場した秋葉忠宏(現・水戸ホーリーホック監督)が、試合前の国歌斉唱だけでウォーミングアップが不要になるほど身体が熱くなると話していたエピソードを紹介し、こう続けている。

「もちろん、へこむよ。言われて、バッシングを受けて。いろいろと悩む。でも、それを受け止められる人間じゃないと日の丸は背負えないと思う」

 フランスW杯については「結果を出していれば、そんなことを言われなかった。逆にフューチャーされたよ。『あのガムを噛んでいたから、ああいうゴールが決まりましたね』ってなるでしょ」と持論を述べた。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【動画】城彰二がフランスW杯で噛んでいたのは医療用ガムだった。感情的な批判のラモス瑠偉に謝罪不要だと言った理由も明かす