アーセナル所属の日本代表DF冨安健洋(23)は、今月9日のプレミアリーグ第10節・リバプール戦でエジプト代表FWモハメド・サラー(30)とマッチアップ。サラーを抑え込むと、第12節・サウサンプトン戦まで3試合つづけて左サイドバックで先発出場している。そんな中、アーセナルの専門サイト『アーセナル・インサイダー』はミケル・アルテタ監督がスコットランド代表DFキーラン・ティアニー(25)よりも冨安健洋を優先起用する背景を分析した。
冨安健洋は開幕当初、右サイドバックでイングランド代表DFベン・ホワイト(24)の控えに甘んじていた。しかしリバプール戦でサラーとのマッチアップを制して勝利に貢献。その後のリーグ戦2試合では低調なパフォーマンスを露呈したが、それでもアルテタ監督から左サイドバックのレギュラーとして信頼を寄せられている。
一方ティアニーは昨季まで左サイドバックのレギュラーとして活躍。開幕直後にウクライナ代表DFオレクサンドル・ジンチェンコ(25)の負傷離脱で定位置再奪取かと思われたが、今は冨安健洋のバックアッパーとなっている。
『アーセナル・インサイダー』は「ティアニーは我々にとって素晴らしい存在だ。だからこそ多くのファンはなぜ冨安健洋がティアニーよりも選ばれているのか理解できないだろう」と前置きをした上で、空中戦での強さ、アルテタ監督の求めるポジショニング、1対1の局面における勝負強さの3点で冨安健洋が勝っていると主張している。
さらにアルテタ監督の求めるポジショニングについて「ティアニーは、昔ながらの左サイドバックである。彼はサイドにおける上下運動で効果的にプレーする」
「しかしアルテタ監督の戦術では、ポゼッション時にサイドバックが中に入ってセントラル・ミッドフィルダーとしてプレーすることが求められる。ティアニーは今シーズン、この部分でかなり改善されているがまだ完全には慣れていない」
「冨安健洋はこの中盤の役割にかなり慣れている。ピッチ中央に入ったときのポゼッションも落ち着いているし、どちらのウイングにもロングパスを出すことができる。アルテタ監督の戦術において、彼はより効果的なオプションとなるのだ」と説明。
1対1の局面における勝負強さについては「ティアニーはいつもだと1対1の場面に強い。だが左足の右ウイングに中へ切り込まれると、ゴール前へのスルーパスや強い方の足でシュートを打たれる可能性がある」
「そういう選手に対する冨安健洋の守備は非常に強い。今月のリバプール戦はその良い例であり、90分通してサラーを懐に入れていた」と綴っている。
なおアーセナルは今月27日にUEFAヨーロッパリーグ・グループステージのPSVアイントホーフェン戦を控えているほか、30日にはプレミアリーグ第13節・ノッティンガム・フォレスト戦に挑む。ジンチェンコが復帰間近と伝えられる中、冨安健洋とティアニーの起用法に引き続き注目が集まる。