遠藤と守田はチームに帯同しない
ワールドカップ・カタール大会前最後のテストゲームとなるが、サムライブルーは万全の状態で試合に臨むことができない。日本サッカー協会が発表したところによると、守田英正、遠藤航の2人は試合が行われるドバイに行かず、ドーハに残って調整することになるようだ。三笘薫もカナダ戦の欠場が決まっており、体調不良で未だ日本代表に合流できていない。
遠藤は脳震盪からの復帰途中であり、守田は左ふくらはぎに違和感があったようだ。両者ともに重症ではなく、ドイツ戦は間に合う可能性が高い。
そうなるとカナダ戦は柴崎岳と田中碧のダブルボランチになる可能性が高い。本戦でも遠藤と守田を欠く可能性は十分にあり、ここで2人の組み合わせを試すことができるのは大きい。
直近の9月の代表戦ではエクアドル戦で柴崎・田中のコンビを試している。しかしアメリカ戦の遠藤・守田コンビとの差は歴然であり、ボランチの控えの質が心配されている。
柴崎・田中コンビで臨んだエクアドル戦で起こった問題はいくつかあって、その一つがビルドアップの機能不全だ。エクアドル代表がかけてくる圧力が強かったこともあって日本はボールの収めどころを見失い、前半は満足に攻撃を組み立てられていない。遠藤、鎌田大地が入った後半は改善されたが、今回は遠藤が不在。トップ下での先発が予想される鎌田と連携を取ってボールを前進させたい。
日本代表の中盤の守備は遠藤のボール奪取に大きく依存しており、柴崎・田中コンビでどこまでカナダ代表の攻撃を耐えられるかは見ものだ。アルフォンソ・デイヴィス、ジョナサン・デイビッドとスピードのあるアタッカーが揃っており、対応できるか。
今回中盤は遠藤、守田、柴崎、田中の4人を招集しているが、2人の欠場が決まったため柴崎、田中の控えとなる人物がいない。
今回の招集メンバーでカバーするとすれば、板倉滉と鎌田の名前が挙がる。今でこそセンターバックの板倉だが、ボランチでもプレイ可能だ。ボルシアMGは当初板倉を中盤として獲得したと話しており、その実力は欧州でも通用する。板倉は186cmとサイズがあり、大型ボランチは武器となる。鎌田は今季フランクフルトでボランチ起用が増えており、ビルドアップや正確なタックルで攻守両面に貢献している。幸い2列目は人材が豊富なポジションであり、南野拓実や久保建英にトップ下を任せて鎌田を一つ下げるアイデアもある。
初戦ドイツ戦の前に一つでも課題を解決しておきたい日本代表。本戦でも柴崎・田中のボランチ起用の可能性は高く、このカナダ戦で連携を高めたい。