評価を覆した

日本代表は17日にカナダ代表と対戦。9分、幸先よく相馬勇紀のゴールで先制するも、前半に追い付かれ、後半アディショナルタイムにPKを献上してしまい1-2で敗れることに。

ワールドカップ・カタール大会前最後のテストゲームは敗戦となった。多くの課題が見つかっており、残りの期間で修正したい。

ポジティブな話題でいえば先制点をアシストした柴崎岳のパフォーマンスだ。

柴崎は継続してこの森保政権で代表に呼ばれているMFで、アジア最終予選の初戦も遠藤航と共にボランチで先発している。しかしパフォーマンスが上がらず、スタメン落ち。このカタール行きも危ぶまれていた一人だ。

それでもこのカナダ戦では遠藤、守田英正が欠場したこともあって田中碧とボランチでコンビを組んだ。

柴崎の強みは視野の広さとアイデアのある正確なパスであり、先制点の場面では右足で正確なロングフィードを供給してゴールをお膳立てしている。日本代表のFW陣は相馬や前田大然、伊東純也とスピード自慢が多く、柴崎のパスがより生きる。

さらに89分、右サイドから柴崎が縦パスを供給。抜け出した山根視来がボックス内から右足を振り抜く。残念ながら右ポストにはじかれてしまったが、再び柴崎が正確なラストパスからチャンスを作る。

この日の多くの好機はこの柴崎のパスから生まれていた。視野の広さとパスの正確さが生きており、カナダ戦で評価を上げた選手の一人だ。

しかし悪い面も目立っており改善すべき点を挙げるとすれば、ボールロストの多さが気になる。69分の場面が分かりやすく、前を向いた状態でパスを受けるとファーストタッチが大きくなってしまい、ボールを失っている。その後は長友佑都の素早いカバーがあったため何とかなったが、ビルドアップの際にボランチの選手が簡単にボールを失ってはならない。とくにドイツやスペインはカウンターが強力であり、気を付けたい。

本戦で柴崎に出番は来るとすればゴールが欲しい場面だ。ロストの多さは気になるが、それ以上にパスでの飛び道具は効果的で、コスタリカ戦での起用に期待できる。またポジションを上げてトップ下で起用するのも面白い。カナダ戦でトップ視野で先発の南野拓実はコンディションが万全ではなく、頼りないパフォーマンスに終始してしまっていた。柴崎であればパスから攻撃を操ることができ、ボールロストの多さも遠藤と守田である程度カバーできる。もちろん鎌田大地が1番手になると予想できるが、2番手として柴崎を考えていい。

カナダ戦で最大の収穫だった柴崎の活躍。見つかった課題も多いが、この柴崎を森保監督はどう生かすのか注目したい。