クルトワを中心にどこまで守れるか

ベルギー黄金世代の中でも、最も不安なのは最終ラインだ。全体的にベルギー黄金世代は勢いが落ちているが、最終ラインは特にその傾向が目立つ。

絶対的主軸だったヴァンサン・コンパニは現役を退いており、今回のワールドカップメンバーに選ばれているトビー・アルデルヴァイレルトとヤン・フェルトンゲンも大ベテランだ。両者とも全盛期は過ぎたと言っていい。

ベルギーがカタール大会で上位を目指すには、アルデルヴァイレルトとフェルトンゲンに頼りすぎないことが重要だ。レンヌのアルトゥール・テアテ(22)、レスター・シティのヴォウト・ファエス(24)といった選手も出てきているが、英『HITC』が期待するのはアンデルレヒトのゼノ・デバスト(19)だ。

国内の名門アンデルレヒトのアカデミーから出てきたデバストについて、同メディアはNewコンパニと呼ぶ。アンデルレヒトでは今季リーグ戦17試合すべてに出場しており、すでに主力として信頼されている。イエローカードを3枚しかもらっていないクリーンな部分も評価されており、今回のワールドカップでもスタメンに抜擢されるかもしれない。

代表デビューは今年9月と最近のことだが、信頼に足る実力者との評価だ。テアテらを含め若い選手たちが防波堤とならなければ、ベルギーの上位進出はないだろう。幸いGKには現世界最高級と評されるレアル・マドリードのティボー・クルトワが構えているため、ここは信頼できる。シュートコースさえ限定できれば、クルトワが何とかしてくれるとの期待感もある。

ベルギー上位進出のカギは攻撃陣よりも守備陣にありそうだが、代表監督ロベルト・マルティネスはどう最終ラインを構成してくるか。