グループリーグの初戦、ドイツ戦で2-1と劇的な逆転勝利を挙げた森保ジャパンは中3日となる11月27日に第2戦のコスタリカ戦を迎える。

 コスタリカはスペインとの初戦に0-7の大敗。日本にとっては相手が衝撃的な一戦からどう立ち直ってくるかが気になるところ。選手たちもどう出てくるか読み切れないと口を揃えており、対策が明確だったドイツ戦とは異なり、ある意味“未知の相手”とも言える。

 もっとも粘り強い守備からの素早い攻撃が真骨頂のコスタリカだが、逆転でのグループ突破へ勝利が欲しい状況で、どこかのタイミングで攻撃に重心をかけてくるはず。

 長友佑都も「コスタリカは勝たなくてはいけないので、守るよりは攻めるイメージだと思います。そこは逆に攻撃的なパワーを上手く受けて、裏を狙いながらゲームを進めたいです。3大会経験したなかで、僕らが追い込まれて勝たなくてはいけない状況として思い出すのは(2014年の)ブラジル大会のコロンビア戦。あの経験を生かせるかもしれません」と語る。

 コスタリカは初戦のスペイン戦で見せたように、5バックと4バックを併用してくるが、点を取らないといけない状況を加味すれば4-4-2を採用してくるか。若いタレントが多くおり、どれだけ選手を入れ替えるか読めないが、先を見るよりは一戦必勝の想いで臨んでくるのではないか。
 
 一方、日本は初戦のドイツ戦で左太ももを痛めた酒井宏樹、右太ももの違和感でトレーニングを欠席している冨安健洋の起用は難しそうで、初戦を勝利したこともあって、当初の予定通り、大胆なターンオーバーを活用しそうだ。

 なによりチームは一致団結して戦えているが、試合に飢えている選手たちもいる。CB谷口彰悟は「ピッチに立ちたい想いはあるけど、その気持ちを超越するというか、そんなものは当たり前で、そのうえでチームのためにまた良い準備をしていく。そういうことができる選手の集まりだと思います」と力強く口にする。

 その点、長友も「雰囲気は素晴らしいです。誰ひとり諦めていないし、それがこの間交代出場で入った堂安律と浅野拓磨が、活躍したように、なかなか上手くいかなかったり、苦しい想いをしてきた選手が諦めずに戦い、そういう彼らを生かせるチームの輪、団結力がすごく見えると思います。もちろん出られなかったら、悔しい想いもあるでしょうが、その気持ちを持ちながらチームのために戦う。嫉妬で足を引っ張るんじゃなくて、何をすべきかを一人ひとりが考えられています」と強調する。

 総力戦で戦いながら、コスタリカの出方を上手く見て裏を突く。したたかな戦いで勝点3を奪えれば、他会場のスペイン、ドイツの結果次第でグループ突破が見えてくる。

「(ドイツ戦で)日本サッカーのなかでも大きな試合をやったと思いますが、まだ歴史は変わっていない。ベスト8にいくのが僕らの最低限の目標ですし、そういう話はチームのなかでしました」

 堂安律が語るように、一喜一憂せずに日本はコスタリカ戦に挑む。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト特派)

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