最終ラインは酒井、冨安が欠場する見込み

 初戦を勝利した日本代表は11月27日に、カタール・ワールドカップ(W杯)グループリーグ第2節でコスタリカ代表と対戦する。ドイツ代表戦(2-1)後、26日の練習までにDF酒井宏樹(浦和)とDF冨安健洋(アーセナル)はチーム練習に合流ができておらず、コスタリカ戦への出場が不透明な状況になっている。

 対戦するコスタリカは、初戦のスペイン代表戦を0-7で落としたが、MF久保建英(レアル・ソシエダ)が「事故のようなもの」と語ったように、決して力がないチームではない。実際に南米予選の14試合では、複数失点が1試合のみという堅守を見せてきた。この試合に日本は、どのようなスタメンを組み、この試合に臨むか。

 初戦のドイツ戦で日本は、前半を4-2-3-1、後半は3-4-2-1で戦った。これに加え4-3-3もオプションとしてある。勝たなければ終わるコスタリカは、スペイン戦でもスタートから用いていた4-4-2を採用してくることが予想され、日本も4-2-3-1で試合に入るのではないだろうか。そして、初戦で勝ったことで、この試合にも勝てば、日本は決勝トーナメント進出が決まる可能性もある。ここはターンオーバーをせずに、ドイツ戦のメンバーを中心に勝ち点を6まで伸ばすことを目指すはずだ。

 GKは、前回のドイツ戦でマン・オブ・ザ・マッチにも選ばれたGK権田修一(清水)を連続で起用すると予想する。

 最終ラインでは、酒井、冨安が欠場する見込み。まずは堅く守ることを考えると、右サイドバックにはDF山根視来(川崎フロンターレ)ではなく、DF長友佑都(FC東京)を起用し、センターバックにはDF吉田麻也(シャルケ)、DF板倉滉(ボルシアMG)を並べる。ドイツ戦で負傷明け初めて90分出場した板倉の状態は気になるが、冨安も不在と考えると入れておきたい。そして左サイドバックには、DF伊藤洋輝(シュツットガルト)を入れる。伊藤を起用することで、相手の攻撃に守備がハマらなかった時、日本も3-4-2-1に移行ができるようにしておく。

 中盤の底は、MF遠藤航(シュツットガルト)と全体練習にも合流したMF 守田英正(スポルティング)を並べる。ドイツ戦でも先発出場したMF田中碧(デュッセルドルフ)は、負傷からの回復途上にある。試合ごとに状態を上げているものの、ドイツ戦でもまだ本来の調子とは言えなかった。この先の戦いを見据えても、チームの軸の1人である守田にW杯の舞台を経験させたいところだ。

注目は2列目の左と1トップ、相手の狙いを見定めて対応できるメンバーを起用か

 2列目は、右にMF伊東純也(スタッド・ランス)、中央にMF鎌田大地(フランクフルト)は変わらず。左にはMF三笘薫(ブライトン)の起用を予想する。久保は初戦で45分しかプレーしていないため、この試合にも良いコンディションで臨めそうだが、3バックに前半途中からでも移行できるようにするためには、三笘を起用することになるだろう。

 1トップの選択は難しいところ。相手が前に出てくることを想定した場合、FW前田大然(セルティック)、FW浅野拓磨(ボーフム)を置くことも可能だ。だが、日本はまず失点をしないことを考え、後半に相手がより勝負をかけてきた時に彼らを起用するのであれば、ここは前線でボールを収めて攻撃の基準点も作れるFW上田綺世(セルクル・ブルージュ)が入るのではないだろうか。爆発的なスピードはないものの、上田も献身的にプレスをかける選手であり、初戦で7失点を喫したコスタリカが守備の修正を優先して引いてきた場合にも、より効果的になる。

 初戦で勝点3を取った日本は、まずは相手の狙いを見定めてそれに対応できるメンバーを並べて置き、そこに選手交代などで修正を加えながら90分間のなかで勝利を掴むプランを採るのではないだろうか。

 ドイツ戦に勝利して勢いに乗る日本だが、初戦の大金星を生かすも殺すも、この試合次第になる。果たして森保一監督は、どのような先発イレブンを送り込むことになるだろうか。(FOOTBALL ZONE特派・河合 拓 / Taku Kawai)