接触があったのは確実だったが……

今回のFIFAワールドカップ・カタール大会では半自動オフサイド判定技術を含め、テクノロジーの部分にも注目が集まっている。人間の目では判断できないレベルの細かな部分もテクノロジーの力でチェックでき、その技術はフットボールの世界を変えるだけの力を備えている。

VARもその1つだが、その基準には疑問の声もある。1日に行われたグループH最終節のガーナVSウルグアイでの一件もそうだ。

グループ突破へあと1ゴール必要だったウルグアイは、後半アディショナルタイムにペナルティエリア内でFWエディンソン・カバーニがガーナ代表DFアリドゥ・セイドゥと接触。セイドゥの左足が後ろからカバーニの右足かかと部分に当たり、カバーニは転倒した。

当然ウルグアイ陣営はPKを主張したが、主審は両腕を横に振ってノーファウルと判定した。ウルグアイ側は試合終了後も抗議していたが、VARでチェックしても良い場面だったはずだ。カバーニも少々PKをもらいにいこうとした部分はあったかもしれないが、それでも接触があったのは事実だ。

英『BBC』によると、このプレイについてトッテナムやパリ・サンジェルマンで指揮官を務めてきたマウリシオ・ポチェッティーノは「カバーニがクレバーだったのは確かだが、私の中ではあれはPKだ」と主張。これに元イングランド代表FWアラン・シアラー氏も「あれはPKだった」と続いている。

グループステージを振り返ると、先日のアルゼンチンVSポーランドの一戦でクロスボールをパンチングしようとしたポーランド代表GKヴォイチェフ・シュチェスニの手がアルゼンチン代表FWリオネル・メッシの顔面に当たり、それをVARでチェックしてPKを与えるシーンがあったり、やや基準が曖昧に思えるところもある。

ウルグアイとしてはあのPKが認められていれば、韓国を抜いて2位でベスト16へ進出できた可能性もある。VARで見てくれと抗議したくなる気持ちも理解できる。

常に判定は議論を呼ぶものだが、ガーナ戦は先に2点を先行するなど内容も悪くなかっただけに、ウルグアイとしてはフラストレーションの溜まる最後となってしまった。