オンライン会見で警戒する選手を列挙

 中盤の選手にとっては、大きなテストになるかもしれない。現地時間12月5日に日本代表は、カタール・ワールドカップ(W杯)ラウンド16で、前回大会準優勝のクロアチア代表と対戦する。

 クロアチアの中盤にはスペイン1部レアル・マドリードMFルカ・モドリッチ、イングランド1部チェルシーMFマテオ・コバチッチ、イタリア1部インテルMFマルセロ・ブロゾビッチという3選手がいる。

「前の試合が終わってから、まだ時間が経っていないが、もう各々で映像を見ている」と、日本代表MF田中碧は言い、クロアチアの印象について「すごくテクニカルで、ハードワークもしてくる。中盤の3人が相手は特に特徴がある。世界的に有名な3人。そこの攻防に勝つことが、主導権を争うことになる。そこが大事だと思う」と、自身の見解を語った。

 この3人を軸にボールを保持することも、引いて守ってカウンターを狙うこともできるクロアチアは、これまで戦ったスペイン代表、ドイツ代表とは、タイプが異なる相手になる。相手のキーマンである3人については、「スペースを与えないことが重要になると思う。そこの攻防次第でゲーム展開が変わる。局面、局面で大きくゲームは変わってくる」と警戒した。

 そのなかでも、37歳となった今も10番を背負い、中盤に君臨する2018年のバロンドール受賞者であるモドリッチは、特に警戒が必要な選手だ。

 田中も「本当にボランチの中でも、どのエリアもプレーできる選手の象徴だと思います。動かないボランチではなく、動けるボランチであって、得点も取れる。世界的に見てもトップクラスの選手だと思う。タイプ的にも僕も動かないボランチではなく、広範囲に動くボランチですし、彼のポジショニングだったり、技術的にもあれだけのアウトサイドキックは憧れたりするところですが、そういうスキル的なものも含め、ほかの選手とは一味違う」と言い、対戦が「すごく楽しみ。彼だけでなく、クオリティーが高い選手が多いですし、サイズないがスピーディーなので、そこは頭に入れながらやりたい」とイメージを膨らませた。

 現在、ドイツ2部でプレーする田中だが、UEFAチャンピオンズリーグにも出場する選手たちと渡り合えれば、彼自身の評価も上がるはず。日本にとって大きな勝負の一戦は、あこがれの存在と対峙する田中のキャリアにとってもざまざまな意味で重要なものとなるはずだ。(FOOTBALL ZONE特派・河合 拓 / Taku Kawai)