クロアチア戦を前に会見に臨む「より一体感が増している」
カタール・ワールドカップ(W杯)で世界屈指の強豪であるドイツ代表、スペイン代表と同居したグループステージを首位で突破し、ベスト16進出を果たした日本代表。その躍進のカギとなっているのは、チーム全員のフォア・ザ・チームのメンタルだ。先発、途中出場のピッチに立った選手はもちろん、ピッチに立てていない選手たちも、自分に何ができるのかを考えて、チームのために行動している。
決勝トーナメント1回戦のクロアチア代表戦の前日にオンライン取材に応じたGK権田修一(清水エスパルス)は「もともと僕ら日本代表は、チームとして戦うことが得意というか、そこがストロング(ポイント)でやっているチーム。今回は26人ということで、国によってはまとまるのが難しいところがあるかもしれない。それでも僕らは試合中のベンチの様子を見てもらったら分かるとおり、本当に全員が試合に出ている、出ていないに関わらず戦っている。それによってより一体感が増していますし、これがあと4試合、ノックアウトステージになってきた時に、よりそういうチームの強さが発揮されると思う」と語った。
試合終了時には、権田のもとに同じポジションを争っているGK川島永嗣やGKシュミット・ダニエルが駆け寄り、抱き合う姿も見られている。3人のGKも良い関係を築けていると、権田は言う。
「まとまりというか、まずは全員がライバル関係にあることが前提になる。やっぱりGKが2人出ることは絶対にない。所属クラブなら3人、4人。代表では今回は3人。アジア予選の時は谷(晃生)選手が来て、4人だったこともありましたが、そのなかで一人しか出られない。その一枠を常に争っているライバルであり、仲間です。今回、川島選手とシュミット選手の3人でやっていて、『心地良い』という言い方が適切かは分かりませんが、本当に試合の日は僕がプレーしやすい状況にもっていってくれる。それまでは逆に『少しでもオマエが手を抜いたら、俺たちが試合に出るよ』というパフォーマンスを普段から2人は見せ続けている。そういう意味で本当に刺激ももらえますし、自分のなかでは最高の3人だと思います」
カタールW杯には、3人のGKが登録されることとなったが、あらためて日本を代表してきていることを強く感じているという。
「予選の時は、谷選手がくることが多かったですが、彼も若いけれどオリンピックで結果を残している選手ですし、能力も高い。予選の時は力になってくれました。今回は3人しか選べないからいませんが、僕は晃生を含めて今回の予選は一緒に戦った仲間だと思っている。それ以外にも西川(周作)選手やアジア杯の頃は東口(順昭)選手がチームの一員として戦ってくれた。先輩も後輩もたくさんいますが、日本のGKみんなの代表として戦っていると思う」
すべての日本のサッカー選手を代表して、カタールの地で戦う26人は、この場に来ることができなかった多くの選手たちの思いとともに、まずは明日のクロアチア代表との試合で初のベスト8進出を目指す。(FOOTBALL ZONE編集部)