【FIFA ワールドカップ カタール 2022・決勝トーナメント準々決勝】イングランド1-2フランス(日本時間12月11日/アルバイト スタジアム)

 世界最高峰のストライカーをしても、その重圧をはねのけることはできなかった。献身的なプレーでイングランドのベスト8に貢献してきたハリー・ケインの身に起きたまさかの結末に、世界中のファンが息を呑んだに違いない。

【映像】名手ケインが痛恨のミス「PKのチャンスを逸した者として、僕が責任を負う」

 78分にフランスに勝ち越しゴールを決められ、イングランドは残り時間が短い中で1点を追うことになったイングランド。すると、メイソン・マウントがテオ・エルナンデスに倒された場面でVARチェックが入り、オンフィールド・レビューの結果、PK獲得という絶好のチャンスを迎えた。

 キッカーのケインは成功させた1本目と同じく左方向に蹴ったのだが、なんとこれがクロスバーを大きく越えて失敗に…。結局、千載一遇のチャンスを逃したイングランドはこのまま1-2で敗れ、PKを外したケインは呆然とした表情を浮かべた。

 1本目を蹴った際は、ゴール左隅の真ん中あたりの高さに蹴ったケイン。そのため、2本目はわずかに狙う高さを変更したのだろうか。しかし、結局はそれがあだとなってシュートは枠を捉えられず、試合を延長戦に持ち込むことはできなかった。フランスのゴールを守っていたのがトッテナムのチームメイトであるウーゴ・ロリスだったことも、ケインの選択に影響を与えたのかもしれない。

 ケインは試合後のインタビューで「キャプテンとして、PKのチャンスを逸した者として、僕が責任を負う」と自責の念を口にした。

 イングランド代表で21本のPKを蹴っているケインは、これが自身4度目の失敗。それがW杯の準々決勝という大舞台で出てしまったのはあまりにも不運ではあった。それでも、元日本代表監督でスペシャルゲストとしてこの日ABEMAにリモート出演したフィリップ・トルシエ氏は、この試合のMVPにケインを挙げ、「圧巻の内容」と称賛していた。
(ABEMA/FIFAワールドカップ カタール 2022)