4年前のロシア大会を知る選手はほとんどいない

FIFAワールドカップ・カタール大会決勝は、アルゼンチンVSフランスのカードとなった。両チームは4年前のロシア大会・ベスト16でも顔を合わせており、その時はフランスが4-3と打ち合いを制している。

あのロシア大会から4年。当時はスコアこそ1点差だったが、チームとしての完成度は優勝したフランスの方が明らかに高かった。フランスの勝利は妥当な結果だったと言えよう。

しかし、この4年でアルゼンチンは大きく変わった。エースはリオネル・メッシで不変だが、4年前からメッシをサポートするメンバーはガラリと変わっている。

当時のフランス戦先発メンバーを振り返ると、GKフランコ・アルマーニ(現在36歳)、DFガブリエル・メルカド(35)、ニコラス・オタメンディ、(34)、マルコス・ロホ(32)、ニコラス・タグリアフィコ(30)、MFハビエル・マスチェラーノ(38)、エンソ・ペレス(36)、エベル・バネガ(34)、FWクリスティアン・パボン(26)、アンヘル・ディ・マリア(34)、そしてメッシ(35)だ。

こう振り返るとベテランが多く、4年前の時点で30代に入っていた者がほとんどだ。それは途中出場したDFフェデリコ・ファシオ(現在35歳)、FWセルヒオ・アグエロ(34)も同じだ。

他にもFWゴンサロ・イグアイン、MFルーカス・ビリア、GKウィルフリード・カバジェロといった選手がベンチに入っており、4年前から比べるとアルゼンチンは大幅な世代交代を実現している。

現在のメンバーで4年前のフランス戦を経験しているのは、メッシ、MFディ・マリア、DFタグリアフィコ、オタメンディの4名だけである。

今ではカバジェロとアルマーニで迷っていた守護神問題もエミリアーノ・マルティネスの登場で解消され、最終ラインにもクリスティアン・ロメロ、リサンドロ・マルティネスが加わった。

中盤ではエンソ・フェルナンデス、アレクシス・マカリスター、前線ではラウタロ・マルティネス、フリアン・アルバレスなど技術とハードワークできる運動量を併せ持つ若手が台頭した。メッシをサポートする彼らの実力と組織力は4年前を遥かに凌駕する。

青年指揮官リオネル・スカローニの功績も大きく、もう不安定だった4年前のアルゼンチンは消えた。連覇に挑むフランスにも引けを取らない完成度となっており、4年間&メッシの代表キャリア集大成となるファイナルへサポーターの期待は膨らんでいる。