6月16日、日本サッカー協会(JFA)の反町康治技術委員長が、オンラインで定例のブリーフィング取材に応じた。

 4試合が組まれた6月シリーズで、日本代表の戦績は2勝2敗。現時点で「森保(一)監督とは来週、きちんと話すことになっているので、詳細は述べることはできない」としつつも、FIFAランキング1位ブラジルとの一戦(0-1)における”収穫”については「手応えを得た」と述べた。

「国立競技場という、今はなかなかサッカーの試合が行なわれていない舞台で、お客さんも入って、良い雰囲気でできたというのはマッチメイクした立場としては涙が出るほど嬉しかった。そういう試合を増やしていかなければいけないというのは感じている。

 サムライブルーとしての課題の部分、サッカーの普及の部分で、ブラジル戦はたくさんの方にスタジアムに来てもらって、テレビを通して映像で見てもらえた。視聴率22・4パーセントを稼げたのは、皆さんがブラジルに興味があったのか、日本に興味があったのかは分からないが、サッカーの普及には効果があったと思う」
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 さらに「チッチ(ブラジル代表監督)が6年かけてまとめあげてきたチームが、ワールドカップ半年前に真剣勝負を挑んできてくれたことに敬意を表したいし、日本も臆することなく立ち向かえたことも嬉しく思っている」と述べた。

「ブラジル戦の成果としては……東京五輪の準決勝スペイン戦は0-1で負けた。このときの反省点として、やはりポゼッション率を上げないと厳しいんじゃないかという結論だった。日本は32パーセント、相手は68パーセントだった。改善するためには45パーセント以上はポゼッションを維持したいという目標を掲げていて、(ブラジル戦は)47・8パーセントと、数字上では互角に戦うことができた。見劣りはしていなかった。

 GKとCB2人、アンカーの遠藤航、ここのひし形を使ったビルドアップがボディーブローのように効いたかなと。半年前の五輪はカテゴリは違うけれど、あそこから改善できたことで明るい兆しもある。前のところは、もちろんまだ問題があるが、ここはひとつだけ(改善点として)挙げてもいいかもしれない。チームでやろうとしていることが表われた」

 また、活動を通じて「最終的には(負傷離脱などで)24人になったが、2週間強の活動でチーム戦術の確認と徹底、それと選手の並びやコンバートや適性などをしっかり見ていく。世界の強豪国とやるわけなので、課題、問題点を抽出して次の試合、7月、9月の活動に繋げることを意識した」としている。

 7月に予定されているE-1選手権は国内組のみのメンバーで構成され、直前最後の代表活動となる9月には「欧州でワールドカップ出場国と2試合」を予定しているとのこと。対戦国は「大詰めのところまで来ている」とし、明言は避けた。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部