現地時間28日、日本代表MF南野拓実のASモナコ移籍が決定。同クラブが公式サイトで正式発表した。

 FIFAワールドカップ カタール2022を約5ヵ月後に控えたこのタイミングでの移籍は、勝負の決断と言える。新天地で活躍しW杯メンバーに食い込むチャンスではあるが、新たなリーグやチームへの順応に苦戦すれば落選する可能性もある。

 落選してしまった例を挙げるとすれば、ロシアW杯を5ヵ月後に控えた2018年1月にガンバ大阪からリーズへ移籍した井手口陽介だろう。

 2017年に日本代表デビューを飾った井手口は、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の下で瞬く間に定位置を確保。同年8月31日に行われたアジア最終予選のオーストラリア代表戦では82分にゴールを決め、日本の6大会連続6回目のW杯出場に貢献した。W杯に臨む日本代表メンバー入りも有力視されたいたが、2018年1月にリーズ移籍後にレンタル移籍したスペインのレオネスで出場機会を得られず。欧州移籍後は日本代表から遠ざかり、本大会出場を逃してしまった。

 同時期に原口元気も移籍をしているが、この決断は正解だった。

 当時ヘルタ・ベルリンに所属していた原口は、17/18シーズン第8節のシャルケ戦での一発退場を境に出場危機が減少。ベンチにも入れない日々が続き、本大会目前で窮地に立たされてしまった。そこで日本代表MFは2018年1月に2.ブンデスリーガ(2部リーグ)のフォルトゥナ・デュッセルドルフへのレンタル移籍を決断。リーグレベルは下がったが、同クラブで主力として活躍したことで本大会に臨む日本代表メンバーに選出された。

 世界トップレベルの選手が名を連ねるリバプールに比べれば、ASモナコの方がチャンスは多いだろう。だが、南野にとってリーグ1は初挑戦。さらに、同クラブではポルトガル代表FWジェルソン・マルティンスやオランダ代表FWミロン・ボアドゥらがライバルとなる。
 
 日本代表の10番である南野が本大会メンバーから外れることは考えにくい。だが、リーグへの順応に苦戦やライバル選手との競争に勝てず、出場できない状況が続けば落選する可能性もある。本大会を目前に控えたこの決断は成功か失敗か。果たして。