日本サッカー協会(JFA)は13日、EAFF E-1サッカー選手権決勝大会に臨むサッカー日本代表メンバーを発表した。
今回は国際Aマッチウィーク外の活動となり、欧州組を招集できない。そのため国内組のみで日本代表を組み、J1で首位に立つ横浜F・マリノスから最多の7選手が招集された。
森保一監督は「いまJリーグでトップを走っているチーム。そして内容的にも強度の高い戦いをして、チームとして戦術的な戦いをしながらも、個のクオリティを発揮している」とマリノスから多くの選手を招集した背景を説明した。
日本代表入りを果たしたマリノスの7選手の中で、“サプライズ”として注目されたのはFW宮市亮だ。アルベルト・ザッケローニ監督時代に日本代表デビューを飾って2試合に出場した経験を持つ29歳は、2012年10月以来、約10年ぶりの代表復帰を果たした。
高卒でイングランドの強豪アーセナルに移籍したものの、キャリアを通じて度重なる怪我に悩まされてきた宮市は、昨年夏に日本復帰を決断。マリノスに加入し、今年に入ってから出場時間を伸ばしてチームに欠かせない選手となりつつある。
森保監督は宮市の「武器」を高く評価している。それは「爆発的なスピードで上下動しながら相手のゴールに迫っていく、得点もできればアシストもできるところ」だ。
今季に入って宮市が活躍の幅を広げられた要因は、やはりコンディションの安定化にある。昨年夏の段階ではかなり慎重にケアを続けなければプレーに支障が出るほど、体のバランスが崩れていた。
しかし、時間をかけてコンディションを整えた結果、連戦にも耐えうる体を作り上げてマリノスのハイレベルな競争の中で存在感を発揮できるようになった。
「自分も最後に代表に入ったのが10年前なので、代表との距離は正直遠いものがあったんですけど、今回招集していただいて嬉しく思います。自分の武器はスピードなので、そこを存分に発揮できればいいと思います」
今季はリーグ戦で14試合に出場して3得点3アシストを記録してきた。最近は後半から投入されて流れを変え、チームに勢いをもたらすジョーカー役としても貴重な役割を果たしている。
森保監督が評価する「上下動しながら相手のゴールに迫っていく」タフさと、試合の流れを一変させられる「爆発的なスピード」の両方を生かし、カタールワールドカップ出場に向けて大いにアピールしたいところだ。
(取材・文:舩木渉)