カタール・ワールドカップまで、残り約4か月。登録メンバー入りの熾烈なサバイバルの行方は? 国内組にとっては最後のアピールの場とも見られたE-1選手権を終えたタイミングで“推奨26人”をお届けする。
選定者:内田知宏(報知新聞社)

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 E-1選手権は男女日本代表の優勝で幕を閉じた。カタールW杯に向け、森保ジャパンの肝である田中碧、守田英正との中盤構成でより輝けそうな脇坂泰斗の確かなプレーが見られ、右SBに入った小池龍太の判断は光るものがあった。

 藤田譲瑠チマの予測と味方を動かす力は、将来への大いなる希望を見た気がした。3得点でMVP、得点王をダブル受賞した相馬勇紀には、かつて滑り込みでメンバー入りを果たした選手特有の勢いと覚悟を感じた。

 彼らは、本来であればもっと早い段階で招集され、チャンスを与えられたように思う。まずW杯アジア最終予選の序盤に喫した2敗で、選手起用のチャレンジ、テストが制限されたこと。そして、コロナ禍の影響からW杯予選の延期が相次ぎ、強化試合がほとんど組めなかった。

 この2つの理由で、彼らが脚光を浴びる機会は、カタールW杯開幕が4か月後に迫るこの時期までずれ込んだ。すでに森保ジャパンの骨格は9割方決まっている印象があり、新たな国内組の逆転メンバー入りは狭き門と言わざるを得ない。
 
 海外組とともに最終予選を戦った谷口彰悟、山根視来の川崎勢はすでにメンバー入りが有力だ。他の国内組が入る余地は、W杯登録メンバー枠が23から26に広がり、目が向けられるスペシャルな武器を持った選手に限られるだろう。

 先発向きの総合力型よりも、ワンポイント起用で力を発揮する強力な武器を持った選手たち。相馬以外の3人は総合力型に該当するため、メンバー入りは難しいと見る。そして、突破力の武器を携える相馬も、同じ土俵で違いを見せる三笘の牙城を崩すことはかなり厳しいだろう。

 そこで、この大会には招集されなかった鹿島の鈴木優磨に目を向けたい。サイドからのクロス、パスに合わせる位置取りは、森保ジャパンには足りないピースに感じるし、シュートの技術も高い。鹿島ではかつて途中出場で存在感を示していた時期があり、短い時間でも力を発揮できる素地がある。何より今季のプレーは、W杯メンバー選考にかかるだけの内容と結果を見せている。

 これまでのチームの歩みと登録メンバーの増枠から、今あるものの上積みよりも、いかに足りないものをもたらすかの選考になるだろう。Jリーグ組からサプライズがあるとしたら、鈴木のような選手の選出ではないだろうか。

文●内田知宏(報知新聞社)

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