明治安田生命J1リーグ・鹿島アントラーズ所属のFW鈴木優磨(26)は、FIFAワールドカップ・カタール大会アジア最終予選など日本代表戦での招集歴がない。森保一監督のもとで一度も招集されていないことが物議を醸している中、オーストラリアメディア『オプタス・スポーツ』が両者の不仲説について見解を述べている。

 鈴木優磨は2018年、鹿島アントラーズの絶対的ストライカーとしてAFCチャンピオンズリーグ(ACL)優勝に大きく貢献するとともに、大会MVPにも選出。シント=トロイデンVV(STVV)在籍時の2020/21シーズンには、ジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー1部)で17ゴールをマークしていた。

 そして今年1月にはSTVVから鹿島アントラーズに復帰すると、キャプテンマークを巻いてJ1リーグほぼ全試合に先発出場して7ゴールをマーク。日本国内外で実績を積み重ねているにもかかわらず、代表戦のピッチに立っていない。

 また日本代表の森保一監督は6月のキリンチャレンジカップ・キリンカップサッカー2022の代表メンバー発表前、鈴木優磨を代表候補に含めていることを明言。先月のEAFF E-1サッカー選手権2022(旧東アジアサッカー選手権)でも国内組中心の編成で臨むことを明かしていたが、同選手はいずれの大会でもメンバー外だった。

 この鈴木優磨の日本代表招集外に対しては、多くのサッカーファンから疑問の声が噴出。森保一監督と同選手の不仲説が駆け巡るなど、議論を呼んでいる。

 そんな中、『オプタス・スポーツ』は「なぜ日本代表はスズキの招集を拒むのか?」という見出しをうち、「鈴木優磨は、日本代表攻撃陣の主役のひとりになるはずだった。しかし、彼のキャラクターと政治的側面が絡み合い、彼のワールドカップへの道を阻んでいる」と綴っている。

 また同選手の特徴について「鈴木優磨は、典型的な日本人フォワードではない。彼は雑種的であり、自分やチームを有利にするためにゲームの暗黒技術に手を染めることを恐れていない。敬意とフェアプレーを基本とする社会では必ずしもうまくいくとは限らない。ただ彼はまわりの反応に動じない」

 「それに単なる攻撃的な選手で、相手をイライラさせるだけではない。彼のボールタッチとコントロールは素晴らしい。ペナルティエリア手前から強烈なシュートを放つと、次の瞬間にはエリア内で巧みなヘディンクシュートを決める」と説明。J1リーグ開幕節・ガンバ大阪でブラジル人FWパトリック(34)とやり合い、パトリックを退場に追い込んだシーンにも触れている。

 さらに、一部でささやかれている森保一監督と鈴木優磨の不仲説については「森保一監督と鈴木優磨の間には、以前から悪い噂が絶えなかった。しかし両者ともにこの噂を否定している」

 「ある報道では『鈴木優磨の“エゴ”が森保一監督と対立しており、監督は鈴木優磨が自分の求めるタイプに合わないからと招集を拒否している』という。また『監督が鈴木優磨に招集をかけたが、鈴木優磨はそれを真っ向から拒否した』とも報じられている。真相は本人たちにしかわからない」と述べた。

 なお『オプタス・スポーツ』は、鈴木優磨がカタールW杯日本代表メンバーに選出される可能性について「極めて低い」と断言。「E-1選手権の日本代表メンバーから外れたことで、この問題は頭打ちになった」と理由を説明している。