日本代表を率いる森保一監督が、『キリンチャレンジカップ2022』のアメリカ代表戦を翌日に控え、メディア対応に応じた。

 11月に開幕するFIFAワールドカップカタール2022まで時間が限られる中、日本代表は本大会まで3試合の強化試合を予定。初戦となるアメリカ代表戦に向けて、森保監督は「ワールドカップに向けて良い準備となるよう、試合に臨みたいと思っています」と意気込み。一方で、「ワールドカップに向けて準備する親善試合とはいえ、目の前の一戦に最善を尽くすことが重要です。戦うことを続け、これまでやってきたことを積み上げられるように、ワールドカップでより良い結果が出せるように、積み上げられる試合ができればと思っています」とも話した。

 本大会まで実戦の場は残り270分。ワールドカップでの戦い方を確立する試合とも位置付けられる中、森保監督は「ベースの部分は変わらない」と断言。「チームのベースであるコンセプトを軸にしながら、対戦相手との噛み合わせで出てくる相手の良さを消す、ウイークを突くことを試合で出せるようにしていきたい」と話しており、予選と本大会を全くの“別軸”では考えていない。ベースを大事にすることを強要した。

「相手あっての試合で勝利しないといけないが、勝つために“ワールドカップ仕様”ということに走り過ぎて、何かを変える方にメンタルが行き過ぎてはならない。自分たちが積み上げてきたベースが崩れないように、世界と戦えるように変化をしていきたいです」

 これまでの日本代表はシステムに4-3-3を採用することが多かったものの、前日練習では4-2-3-1を試す場面も見られた。森保監督は「システムありきではないとまず思っている」と前置きしつつも、「トップ下を置くことで起点を前線に増やすという意味では、守備から攻撃に移っていく時のバリエーションが増えていくのではないかなと思っています」と狙いを明かす。「個々の良さを生かせるチーム作りをできれば」と話しており、前線ではそれぞれの所属クラブで好調を維持する選手が多い中、選手起用についての考えも明かした。

「最終予選で戦ってくれた選手たちを中心にチーム作りは進めていますが、今好調な選手たちをどうチームに組み込むかは明日の試合でも試していきたい。代表初招集ではないが、国内組でE-1の活躍から招集した選手たちもいます。好調な選手、加わった選手たち全員にチャンスをあげられるかわからないですが、できる限りピッチに立ってもらうつもりです。どれくらいできるか、チームのとして融合の幅を広げていけるようにしていきたいです」

 また、今回の活動には、これまでの予選で主力として戦ったDF冨安健洋(アーセナル/イングランド)とDF酒井宏樹(浦和レッズ)も参加している。両選手は負傷やコンディション不良の影響で日本代表のピッチに立てない期間があったため、久しぶりに日本代表のユニフォームを身に纏うことに。最終ラインの中心だった2人の“復帰”について、森保監督は「感覚を擦り合わせる意味で、大きな活動になる」とコメント。それでも、「決まった人だけが試合に出るわけではない。最終予選でも中心で戦ってくれる選手はいたが、ケガなど様々アクシデントがあった。誰が出ても戦力を落とさない、チームとして機能するための考えは常に持っておかないといけない」とも述べた。

 9月の2試合では「W杯で勝つ確率を1%、2%でも高められるようにやっていきたい」と意気込み。初戦となるアメリカ代表戦は、23日の21:25(現地時間14:25)にキックオフ予定だ。